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138億年前のビックバン直後、宇宙はどんな姿をしていたのか

5/24(金) 6:05配信

幻冬舎plus

鈴木洋一郎

宇宙の質量の27%を占めている「暗黒物質」(ダークマター)。この空気中にも大量に存在しているが、一切の光、電波を発しないため、見ることすらできない。だが、暗黒物質がなければ、地球も人類も生まれることはなかった。まさに暗黒物質こそが、宇宙創生のカギを握る……。そんな謎の物質に迫った一冊が、『暗黒物質とは何か』だ。研究の最前線に立つ著者の、最新の知見が盛りだくさんの本書から、一部を抜粋してお届けします。*   *   *

一気に膨れあがった宇宙

現在、ビッグバン、すなわち宇宙の「始まり」には、とても複雑なことが起こっていると考えられています。そして、その「始まり」の詳細が、現在わかり始めています。

WMAPの観測により、宇宙は今からおよそ137億年前に誕生したということが定説になりました。しかし、2013年3月には、2009年に欧州宇宙機関が打ち上げた宇宙望遠鏡プランクの観測から、宇宙誕生はそれよりさらに1億年遡り、138億年前であるという解析結果が発表されました。

138億年前の宇宙誕生の瞬間のことは、残念ながらまだわかりません。しかし誕生直後に、大きな変化があったことは理論的に予測されています。「インフレーション」と呼ばれる現象で、この理論は1981年に日本の佐藤勝彦さんと米国のアラン・グースによって、それぞれ独立に提唱されました。

それによると、138億年前に誕生した宇宙は10(-36乗)秒後から10(-34乗)秒後というわずかな時間に、体積が倍々に増える指数関数的な急膨張を起こしたことになります。誕生したとき10(-34乗)センチメートルだった大きさが、なんと10(34乗)倍以上にまで一気に膨れあがりました。

といっても、インフレーションを経て膨れあがった宇宙の大きさは、それでも直径1センチメートル程度でした。今の宇宙から見れば、「極小の火の玉」ですが、インフレーション以前の宇宙から見れば、「超巨大な火の玉」だったのです。

インフレーションにより宇宙は光と物質で満たされましたが、その光はすぐに自由に全方向に広がったわけではありません。光が宇宙全体を自由に飛び回るようになるまでに、およそ38万年もの時間がかかりました。初期宇宙は、光が自由に飛び回ることのできない状態だったからです。

というのも、誕生直後の宇宙は、きわめて高いエネルギーを持つ高温の世界でした。もちろん、その時点では星も銀河も存在しません。それどころか、物質を構成する原子核もありません。高エネルギー状態では素粒子が激しく動き回っており、原子核さえ生まれることができないからです。

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最終更新:5/24(金) 6:05
幻冬舎plus

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