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亡き父の借金500万、保険金1000万円…相続放棄すべきか?

5/24(金) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載では、司法書士法人ABC代表で司法書士の椎葉基史氏の著書、『身内が亡くなってからでは遅い 「相続放棄」が分かる本』(ポプラ社)から一部を抜粋し、さまざまな事例をもとに、「負債相続」の仕組みや解決方法、「相続放棄」の具体的な手続き等について解説します。

トラブルを事前に避けるため相続放棄をすることに…

 事例  相続放棄の申し立ては負債の存在を知っていた証拠?

神奈川県の田中聡さん(39歳)は一人暮らしをしていた父・和夫さん(65歳)が亡くなった時、親戚の人たちから、和夫さんが晩年、かなりギリギリの生活をしていたことを聞かされました。

母・敏子さんは聡さんが子供の頃に亡くなっており、和夫さんともここ数年は連絡をほとんど取っていなかったと言います。

聡さんの話によると、生前の和夫さんは、趣味にギャンブルにお酒にと大変な浪費家で、いつも敏子さんと喧嘩の絶えない日々を送っていたそうです。母親が早くに亡くなったのも父親が心労をかけ続けたせいだと思う気持ちがあり、聡さんは自ら関わりを絶っていたのです。

「もしかしたら父は、どこかで借金をしているかもしれない」父親の生活ぶりをほとんど把握できていなかった聡さんが、そんな不安を感じたのも無理はないでしょう。

そこで聡さんは、トラブルを事前に避けるため相続放棄をすることを決心しました。

親戚の人の話を聞く限り、資産らしきものはなさそうで、それよりも、借金をしている可能性の方がはるかに高いだろうと判断したからです。

そこで、インターネットで仕入れた知識を頼りに、家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしたのです。

ところが、まさにその翌日、生命保険会社から聡さんに思いがけない連絡がはいります。実は、亡くなった和夫さんが生命保険に加入していて、死亡保険金が聡さんに支払われるというのです。その額はなんと1000万円。それはまさに思いがけない事実でした。

ただ、こうなると話は違ってきます。

相続放棄が認められてしまうと、この1000万円の受け取りも放棄することになる──。

そう思った聡さんは慌てて家庭裁判所に出向き、相続放棄の申し立てを取り下げました。

そして、その後、聡さんは無事、保険金を受け取ることができたのです。

ところが、それから半年後、当初の悪い予感が的中し、和夫さんに500万円ほどの借金があることが判明しました。

けれども、相続放棄の申し立ては取り下げてしまっていますから、当然その負債は聡さんが相続するしかありません。

「これはもう、保険金と相殺して支払うしかない──」

そんな愚痴をこぼす聡さんに、ある知人は思いがけないことを口にしたのです。

「死亡保険金って、相続に関係なく、最初から君のものじゃないの?」

実は、聡さんの知人が言う通り、死亡保険金は相続財産ではありません。受取人が聡さんに指定されていれば、相続に関係なく、それは聡さんのものです。

つまり、相続放棄をしたとしても、保険金は自分のお金として堂々と受け取ることができるのです。

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最終更新:5/24(金) 12:00
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