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スカウトからは「根尾以上」の声が。桐蔭学園・森敬斗にやきもきする。

5/24(金) 8:01配信

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 今年のドラフト候補の中で、プロ野球球団のスカウトたちを“やきもき”させる存在がいる。

【写真】意外と見たことない桐蔭学園時代の高橋由伸、投手イチローや丸、根尾昂の高校時代。

 「試合に行っても投げるのか、投げないのか分からない」とは、最速163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希のこと。指揮する国保陽平監督の将来を見据えた起用によるものだ。

 だが、「プロ志望届を出すのか、出さないのか」の動向が注目されるのが、桐蔭学園高校の遊撃手・森敬斗(けいと)だ。

 森は静岡県静岡市で生まれ育ち、島田ボーイズから隣県・神奈川の桐蔭学園に入学。甲子園優勝の経験もある同校は、巨人の高橋由伸前監督ら多くのプロ選手を輩出した名門校だ。そこで1年夏からスタメンを獲得、昨秋からは主将に就任した。関東大会初戦では逆転サヨナラ本塁打を放ち、今春のセンバツでは4打数3安打。4月上旬には、侍ジャパンU-18代表候補にも入り、国際大会対策研修合宿にも参加した。

「出せば」2巡目で消える。

 そんな森に対し、複数の担当スカウトも「志望届を出すのであれば獲得したい選手」「志望届を出せば2巡目までに消えるかもしれない」と口を揃える。もちろん、これは担当スカウトの声であり、現在の時点で指名が確約されているわけではない。

 それでも、あらゆる面で評価を得ているのは確かだ。

 「あの脚力は素晴らしい。打撃もクセが無いし、肩も強い。体力がつけばプロでも早くに頭角を現すと思いますよ」(オリックス・由田慎太郎スカウト)

 「高校生のショートでは僕が見た限りではナンバーワン。守備も柔らかいし打撃も思いきりが良い。この冬を越えてからすごく良くなっていてビックリしました」(DeNA・稲嶺茂夫スカウト)

 「スピードがあって肩もある。荒削りな部分はありますが伸びしろを感じます」(パ・リーグ某球団スカウト)

 中には伸びしろを含めて昨年のドラフト1位指名入札で4球団が競合した「根尾昂(中日)以上」との声もあるほどだ。

仲間のミスに喝、先輩にも臆さない。

 また、野球に対するアグレッシブな姿勢でも賞賛の声が並ぶ。同校の片桐健一監督も「勝利への執着心を包み隠さず出せる選手」と評する。

 センバツではパスボールをした味方捕手に対して、グラブで胸のプロテクター部分を強く押して叱咤した。森にこの場面について尋ねると「練習中から全員に厳しくしていますし、気づいたらすぐに注意している」と平然と話した。

 今の時代だと“空気を読んで言えない”という選手も多いだろうが、「言うべきことを言えない人間はどこかで逃げていたり、楽をしたりしている部分があると思います」ときっぱり語った。

 下級生の頃から上級生にモノを申すこともあった。

 「4つ上に兄がいたからですかね? 年上だろうが、変に気を遣うことはなかったのかもしれません」

 照れくさそうに話す表情には、チャーミングな一面も窺える。ただ口うるさいのではなく、こうした姿もあるからこそ、周囲から慕われてきたのだろう。

 片桐監督は「まだ子供で、そうされた方の立場とか、大人になるにつれて立場は考えていかなくてはいけません。ですから、決して良しとはしません」と厳しい言葉を寄せるが、スカウトからは「今どき、ああいうことができる子は、なかなかいないよ」と感心の声も上がっている。

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最終更新:5/24(金) 12:41
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