ここから本文です

アサヒグループ食品が新カップ麺 初の“水戻し”で夏需要を刺激

5/24(金) 6:00配信

日経クロストレンド

 アサヒグループ食品が2019年5月20日に発売した「汁なし麺0(ゼロ) 麻辣担々麺」は、水で戻す麺を使った汁なしカップ麺。寒天とこんにゃくでできた糖質ゼロの麺に、水を入れて5分後に水切りするだけの手軽さが特徴だ。人気の麻辣風味で夏場に失速するカップ入りスープ市場の消費を刺激する。

●糖質オフ・ゼロ市場で食品の伸長が著しい

 汁なし麺0(ゼロ)は、2017年に発売した糖質ゼロ麺を使ったカップスープ麺「おどろき麺0(ゼロ)」シリーズの新商品で、同社で初めて水で戻す麺を採用した。原料はおどろき麺0(ゼロ)シリーズと同じ寒天とこんにゃくだが、“汁なし”のため満腹感を損なう恐れもある。そのため麺の膨張率を高めてボリューム感をカバーした。

 アサヒグループ食品によると18年の糖質オフやゼロ食品の市場は約3500億円。19年には約3600億円になる見込みで、17年比で約108%増になるという。構成比ではアルコール飲料が9割を占めるものの、食品も年々拡大傾向にあるとのこと。実際におどろき麺0(ゼロ)ブランドは、18年は前年比260%と順調に売り上げを伸ばしている。

 アサヒグループ食品の食品マーケティング部担当課長の真鍋太郎氏は、「食品の伸長が著しく、中でも喫食頻度が高くて罪悪感を抱きやすい製品が伸びている。例えば麺や食べ合わせの多いスープ、スイーツなどだ。新商品で展開を広げ、新規顧客を獲得していきたい」と話す。

●カップ入りスープの需要は夏場に落ち込む

 一方、容器付きでお湯を注いで飲めたり、そのままレンジで温めたりするだけのカップ入りスープ市場は14年以降右肩上がりで、17、18年はともに約243億円規模に成長している。ところがアサヒグループ食品によると、このカテゴリーは例年夏に需要が落ち込み、その克服が大きな課題になっている。

 汁なし麺0(ゼロ)の開発担当者で同社食品マーケティング部副課長の寺﨑かおり氏は、「温かいスープは6~8月で急に売り上げが下がる。各社、夏向けフレーバーや冷たいスープなどで工夫しているが、売り上げロスは大きい」と打ち明ける。

 そこで今回、水だけで作れる冷たい麺を開発した。水で戻りやすいように、おどろき麺0(ゼロ)に比べてこんにゃくの配合を増やし、汁なしでも食べ応えを出すために通常約15倍の膨張率を、新製品では約20倍にまで高めた。「増粘剤をいかに水に溶けやすくするかを工夫した」(寺﨑氏)という。

 麺自体は味がなく、“しびれる辛さ”のしっかりとした味付けの麻辣(まーらー)粉末を麺に絡めて食べる。夏場には辛いエスニック味の需要が高まり、特に近年はしびれる辛さを意味する「麻辣」がブームになっている点など参考に、味付けを決めたという。さらに「(黒コショウと花椒を使った)『超魔王唐辛子』という当社の激辛素材菓子を使ったアレンジレシピが、SNS上で人気だったこともヒントになった」(寺崎氏)。

 ターゲット層はおどろき麺0(ゼロ)シリーズと同様、20~30代男女に設定し、まずはファミリーマートで全国展開する。寺﨑氏によると「おどろき麺シリーズは主食として買う人が多いため、新商品もそれにならって濃い味付けにしている。低糖質のままでより満腹感を求めるなら、サラダやサラダチキンとも相性が合う。辛さが苦手な人は卵を混ぜて食べてもいい」と、コンビニ食材を使ったアレンジを勧める。

 19年は前年比130%増の売り上げを目指すおどろき麺0(ゼロ)シリーズ。間もなく迎える“試練の夏”を克服できるかどうかは、新投入した「汁なし麺0(ゼロ)」の成否にかかっているといえるだろう。

北川 聖恵

最終更新:5/24(金) 6:00
日経クロストレンド

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「新市場を創る人のデジタル戦略メディア」を編集コンセプトとして、市場創造、商品開発、マーケティング戦略などの先端動向を伝えるデジタル・メディアです。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事