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ソニーのプレステ後継機、売りは「さらなる没入感」

5/24(金) 11:00配信

日経ビジネス

 ソニーは5月21日、経営方針説明会を開いた。吉田憲一郎社長が自ら登壇し、2020年度までの方針を示す中で、注目を集めたのが次世代ゲーム機に関する発言だ。

【関連画像】経営方針を説明するソニーの吉田憲一郎社長

 2013年発売の「プレイステーション4」は19年3月までの累計販売台数が9680万台で、「今年度中に1億台という大きなマイルストーンに到達する」(吉田社長)ヒット商品。その後継機について吉田社長はこう明かした。「ゲーム機の価値提供で最も大切なのはイマーシブな(没入感のある)ゲーム体験の提供。次世代機でもこの方針は変わらない」

 具体的にどのような没入感を実現するのか。説明会では現行の上位機種「プレイステーション 4 Pro」と、次世代機の性能を比較する動画を見せた。現行機ではシーンを読み込む時間が約8秒かかる場面で、次世代機は約0.8秒まで短縮できる。場面が切り替わる時の待ち時間がほとんどなくなれば、ユーザーはもっとゲームに集中できる。さらに、描画速度も大幅に高めるとした。現行機では描画が追いつかないためにゲーム内の動きに制限を設けている例もあるが、次世代機であればゲーム空間内を高速で移動しても描画の遅れは発生しないという。

 「演算性能のさらなる向上と専用SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)との組み合わせで、飛躍的な描画スピードの向上を図っている」。吉田社長はこう説明する。PS4では米AMDのCPU(中央演算処理装置)の特注品を採用し、外部記憶装置にはHDD(ハードディスク駆動装置)を搭載している。CPUの性能を高めることに加え、読み出し速度がHDDよりも圧倒的に速いSSDに切り替えて没入感を高めていく。「描画速度の向上によってユーザーがさらに没入できる。これが現行機の性能を圧倒的に超える次世代機を象徴する体験だ」(吉田社長)。

グーグル、アップルもライバルに

 19年3月期には過去最高益のけん引役となったゲーム事業。だが、ソニーは専用ゲーム機だけの一本足打法を取るつもりはない。「技術革新は進む。(通信を経由してゲームを提供する)ストリーミングも並行して手掛ける」と吉田社長は強調した。

 米グーグルや米アップルがゲームサービスに参入し、ストリーミングサービス分野は競争激化も予想される。それでも吉田社長は「5年にわたり提供してきた」と自信をみせる。ただ、先行企業だからこそ見えてきた課題もあるという。ユーザーに遅延を感じさせないために「ネットワーク技術が重要」(吉田社長)ということだった。

 ソニー自身も技術を磨いてきたが、今後は他社の技術も取り込む必要がある。5月17日に意向確認書を交わした米マイクロソフトとの協業検討はその一環だ。マイクロソフトのクラウドサービスを活用して、ゲームやコンテンツの将来のストリーミングサービスの構築をめざす。

 ゲームを全社の業績をけん引する事業に育て上げたソニー。次世代ゲーム機とストリーミングサービスの両方に投資しながら競合との争いを勝ち抜くという新たな挑戦が始まった。

竹居 智久

最終更新:5/24(金) 11:00
日経ビジネス

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