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ファーウェイ機種販売延期へ、ケータイ料金への影響は?

5/24(金) 5:00配信

日経ビジネス

 KDDI(au)傘下のUQモバイルとソフトバンク系のワイモバイル、楽天の通信各社は華為技術(ファーウェイ)のスマートフォン「P30ライト」の販売を延期すると発表した。NTTドコモも「P30プロ」の予約販売を停止している。

 米IDCによると世界のスマホの出荷台数のシェアで、韓国サムスン電子(20.8%)、米アップル(14.9%)に次いでファーウェイは3位。中国国内に加え、東南アジアなどの海外でも販売網を持ち、欧州にデザインセンターをかまえる。アップルとの差はわずか0.2ポイントだ。

 ファーウェイが販売台数を伸ばした背景には、圧倒的なコスパの良さと幅広いラインアップをもつことにある。

今回販売の延期になる「P30」はカメラにAIを導入するなど性能を高めているが、約8万円と米アップルの製品と比べて手ごろ感がある。日本市場では、格安スマホ事業者の提供する安い料金プランと3~4万円台のファーウェイの端末を組み合わせることで、月額料金を抑えるユーザーも多かった。

 ファーウェイ製品の販売が延期になったことで、今後、日本の携帯料金に影響はあるのだろうか。

 調査会社のMM総研(東京・港)の横田英明取締役は「端末と料金の分離プランを前に、各社はコスパの良いファーウェイをiPhoneの対抗馬として準備していたのは間違いない」という。

 これまでドコモやKDDIなど通信各社はアップルの「iPhone」をはじめとした高性能な端末を大幅に値引きし、通信料金をセットにしたプランを提供してきた。だが、今月に可決した事業法の改正により、通信各社は端末と通信料金を分離して料金を提示しなければならない。

 そうなると、これまでのような値引きが端末にされず、料金が割高になったと感じる消費者も出てくる。そこで武器となるのが、基本的な性能を備えながらもiPhoneより価格の安い端末だ。その代表がファーウェイ製品だった。この選択肢が消える。

 「他メーカーのスマホもラインアップとしてあるため、ファーウェイ製品が販売延期になったことは通信会社には大きな打撃にはならない」と横田氏。「だが、それでも、もうファーウェイのリスクは取れないという動きが出てきそうだ」と横田氏は指摘する。実際、「これを機に、ファーウェイに見切りをつけたいとの思いはある」(通信会社幹部)との声も出てきた。

 消費者にとっては、安価な端末の選択肢がなくなるわけではないが、その代表を失うことになる。

 機能の高さと価格をうまく両立させることで人気が高かったファーウェイ製品が選択肢から消える。コスパより安全保障――。複雑な調達網のなか、企業間の問題として取り上げられることが多かった米中貿易戦争の影響は、にわかに消費者のもとまで及び始めている。

大西 綾

最終更新:5/24(金) 5:00
日経ビジネス

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