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やっかいな爪水虫 治ったと思っても油断は禁物

5/25(土) 10:12配信

NIKKEI STYLE

梅雨が近づき、気温と湿度が上がっていくこれからの季節は水虫に悩まされる人が増えていく。特に爪にできる「爪水虫」(爪白癬)は完治させるのが難しく、これが原因で足の水虫を繰り返す人も多い。埼玉医科大学皮膚科教授の常深祐一郎さんが2019年4月に行ったメディアセミナー「感染拡大・再発を防ぐカギは完全治癒~爪水虫(白癬)の完全治癒に向けて~」(佐藤製薬・エーザイ共催)から、やっかいな爪水虫の対処法をお伝えしよう。

■爪水虫を治すのが難しいワケ

「水虫を知らない人はいないと思いますが、爪も水虫になることは知らない人もいるかもしれませんね」と常深さんは話し始めた。

水虫とは、真菌(カビ)の一種である白癬菌が足の角質層(皮膚の表面)に感染して起こる感染症で、医学的には「足白癬(あしはくせん)」と呼ぶ。爪にできる爪水虫は「爪白癬(つめはくせん)」と呼ぶ。

白癬菌は皮膚の角質層の中でケラチンというたんぱく質をエサにして繁殖する。角質層は外からの刺激や乾燥を防ぐ大切なバリアーだが、細胞自体は死んでいて血管もないため白癬菌が潜んでいても体の免疫システムに感知されにくい。中でも足の裏は角質層が厚いうえ、湿度もあるので白癬菌にとっては絶好のすみかになっているわけだ。

水虫の人がバスマットなどを踏むと、はがれた角質とともに、そこにすみついている白癬菌もばらまかれる。それを他の人が踏むと足の裏に白癬菌が付着。そのまま半日ほど放っておくと白癬菌が角質層に侵入し、その人にも水虫がうつってしまう。

爪もケラチンの固まりだが、皮膚と違って硬いため白癬菌が入り込むのは難しい。そのため、ほとんどの爪水虫は足の水虫から始まるという。足の水虫を放置しておくと、やがて足の裏で増えた白癬菌が爪の先端や横から爪の下に侵入して爪水虫を発症することになる。

爪水虫になると足の爪が白く濁り、分厚くなったり変形したりする。変形が進むと爪切りで切ることが難しく、分厚く盛り上がった爪が靴とぶつかるなどして歩くときに痛みを感じるようにもなる。水虫だけではなく、感染源となり白癬菌が背中やお尻などに皮疹などの症状を引き起こす「たむし」にもなりやすい。実際、「たむしの人の足を見ると爪水虫や足の水虫になっていることが多い」と常深さん。さらに、同居している家族に水虫をうつすリスクも高くなってしまう。

「爪水虫は一度かかると自然に治ることはないし、市販されている水虫の塗り薬では治せない。治療を受けて多少よくなっても、実は白癬菌が奥のほうに残っていることも多く、そうなると当然再発しやすくなります。だから、自己判断で治療を途中でやめるのは禁物。完治したはずの爪水虫が再発した、あるいは、毎年のように足の水虫になるという人は、爪に白癬菌が残っていることが多いですし、爪水虫があること自体に気づいていない人も少なくありません」(常深さん)

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最終更新:5/25(土) 12:17
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