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左バッターが「左手で押し込む」とは?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

5/25(土) 16:01配信

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代に巧打の選手として活躍した、元ソフトバンクの柴原洋氏だ。

Q. 高校2年生の左バッターです。差し込まれた際に左手で押し込むという感覚が理解できず、このような場合にはボテボテのゴロで打ち取られてしまいます。どのように対処すればいいのですか。そもそも、押し込むとはどのような動きですか。(東京都・17歳)
A.押し込むとは左のワキを締めて内側から絞り出すようにバットを出して、ボールを弾き返してやること

 おそらく、質問の方は差し込まれたときに、普段どおりにスイングをし、純粋に左手(左バッターですから、ピッチャーに対して後ろ側の手です)で差し込まれながらもそのまま強引に押し出して、ボールを弾き返そうというイメージを持っているのではないでしょうか。押し込むというのはそのようなスイングではありません。左のワキを締めて内側から絞り出すようにバットを出して、ボールを弾き返してやることを言います。

 差し込まれた状態で普段どおりのスイングをしようとすると、バットは内側から絞って出すよりも遠回りをし、自分本来のポイントよりもだいぶ後ろでボールにコンタクトせざるを得ませんから、ボテボテのゴロになる確率が高くなります。一方で、ワキを締めて絞り出すようにバットを出していくと、窮屈には見えますが、ポイントは本来のものと近くなり、力強くコンタクトができます。

 また、ヒットゾーンに飛ばすことが難しいボールなら、ワキを締めたスイングならばコントロールが効きますので、ファウルで逃げることも可能でしょう。差し込まれたら何でもかんでもフェアゾーンに打ち返す必要はないという判断です。ちなみに、あまりにも厳しいコースだと、われわれプロであったとしてもファウルにすることが難しく、ボテボテのゴロになってしまう場合もありますが、それは仕方がないと割り切ればいいだけです。

 ちなみに「なぜ差し込まれてしまったのか」も考える必要があるでしょう。単純にたまたまタイミングが合わなかったのならば次の打席でアジャストすればいいですが、始動が遅い、タイミングの取り方が遅いのならば永遠に同じことが繰り返されますから、早くタイミングを取って打ちにいかなければいけません。また、ポイントを後ろに置き過ぎていて強いボールに差し込まれがちなのであれば、少しポイントを前に持っていくことも大事だと思います。

 自分のスイングやフォーム、タイミングを検証して改善を加え、その中でも試合で差し込まれたときの対応策として、“押し込み”があると考えてください。ゲームの中の緊急対応ですね。そして予想よりも差し込まれたらファウルで逃げる。そして次のボールで勝負する。頭も柔らかく使うことが重要だと思います。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

写真=BBM

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最終更新:5/25(土) 16:01
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