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“誰かの代わり”から“出れば必ず帰ってくる男”へ 広島・野間峻祥の1番打者適性を考える

5/25(土) 11:00配信

文春オンライン

転がせば何かが起こる ゴロ打ちで打撃向上

 17年の野間は「赤松の代わり」だった。代走要員として前年の優勝に貢献し、オフに発覚した胃がんの治療に専念する赤松真人の代役として野間が起用されたのである。50回の代走出場のうち27回が松山竜平の代走だったこともあり、松山が出塁した際に「野間はどこだ……」という目でベンチを見ている、と話題にもなった。その意味では「松山の代わり」だったとも言える。しかしこの年、代走出場の野間はその俊足ぶりを大いに発揮した。印象的だったのが8月3日の阪神戦。3-5の2点ビハインドで迎えた9回裏に、西川龍馬のセンター前ヒットで三塁走者のみならず、一塁走者の野間まで一気にホームインしたのである。試合は引き分けに終わったが、驚異的なスピードの野間のベースランニングは多くのファンの心に刻まれた。

 ところが18年になると、これまで課題と見られていた打撃が大幅に向上したのである。4月末に負傷離脱した丸の代わりとして出場機会が増えた野間は、5月にはリーグトップとなる.380の月間打率を挙げ、新井貴浩からは「野間選手の高打率を見るたびに下痢が止まりません」といじられ、復帰した丸からは「野間選手からレギュラーを奪い取れるように頑張っていきたい」と宣戦布告されるまでになった。

 この打撃向上の理由として、三振の割合が減り、ゴロを打つことを心掛けるようになったことが挙げられるだろう。15年には19.7%だった三振率が18年には15.4%になり、安打数における内野安打率も23.3%と高くなっている。野間の最大の武器は足であり、「転がせば何かが起こる」のである。その徹底したゴロ打ち姿勢は、今シーズン(5月22日まで)の野間の犠打・犠飛を除く118アウトのうち、実に半数以上の62アウトがゴロアウトなことからもわかる。

いつの間にか本塁に帰ってきているという強み

 今シーズンも滑り出しは好調で、「3番打者・野間」の3、4月の打率は.305と決して悪くはなかった。しかしチームは勝てなかった。更には「不動の1番打者」田中が不振に陥った。そこで令和初日の5月1日阪神戦から「1番・野間」となったのである。これはまた「田中の代わり」なのだろうか。今後田中が調子を戻した時には、野間はまた1番の座を明け渡さなければならないのだろうか。

 確かに高い出塁率を誇り、17年には盗塁王も獲得した田中に比べると、野間の出塁率や盗塁数は物足りなく思えるかも知れない。野間の1年目から今シーズン(5月22日まで)の通算出塁率を打順別にまとめると、打順が1番の時は.297、逆に6番では.338、7番では.368となり、下位に置いた方が脅威になるようにも思える。

 田中に負けない野間の長所、1番打者としての強みとは何かと考えた時、頭に浮かぶのは「野間さん一塁走者だったはずなのに、なぜ単打で本塁まで帰ってきているの」という場面である。そう、野間は塁に出るといつの間にか帰ってきている。これを仮に帰塁率と呼ぶ。昨年度で見ると、野間が塁上にいたのは安打111(自分で自分を帰している本塁打5を除く)、四死球36、代走11の158回。そのうち得点は59(本塁打分の5を除く)なので帰塁率は.373となり、これは昨年度の田中の帰塁率.353を上回る。
今シーズン、現在までの野間の帰塁率は.525に上昇している。その帰塁を支えているのが2番・菊池だ。5月23日現在、菊池の得点圏打率は.429とリーグトップとなっている。「出れば必ず帰ってくる男」野間と「走者必ず帰す男」菊池の1、2番コンビ。それは最強ではないのか。現に4月末まで12勝15敗だったチームも、野間が1番に座った5月以降は14勝3敗と勝ち進んでいる。

 ここに至って野間は「誰かの代わり」ではなく、圧倒的な帰塁率を誇る1番打者となった。再び田中との1番争いが繰り広げられるのか、或いは定位置を獲得していくのか。今後の打順から目が離せない。

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オギリマ サホ

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最終更新:5/25(土) 13:00
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