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早ければ10~20代でも発症…「アトピー性白内障」の恐ろしさ

5/25(土) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「モノがぼやけて見える」「目がかすむ」「光がいつもよりもまぶしい」など、気にはなりつつも、見過ごしてしまっている「目」についての悩みはないでしょうか。そんな悩みを抱えたままでは、日々の不安が募るばかりです。本連載では、白内障・緑内障・網膜剥離手術に強みをもつ、はんがい眼科・院長の板谷正紀氏が、眼病の症状やその対処法について解説します。

「アトピー性白内障」とは?

アトピー性皮膚炎を発症している方は、いつか自分がアトピー性白内障にかかるのではないかと、不安になっているのではないでしょうか。アトピー性皮膚炎の人が、若くして白内障になりやすいのは事実です。白内障というと、高齢者がなるものだと思いがちですが、アトピー性白内障は、早ければ10~20代でも発症することがあります。

また、アトピー性皮膚炎によって発症する白内障は進行が早く、数ヵ月で一気に視力が低下するほど悪化することも少なくありません。白内障だけでなく、網膜剥離(もうまくはくり)や角膜炎、眼瞼炎(がんけんえん)などの合併症を伴うことも少なくないのです。

白内障も網膜剥離も治る病気です。どちらもきちんと診断し、治せる眼科医に診てもらうことが重要です。

今回は、アトピー性白内障について詳しく紹介します。

白内障は、原因によって分類されます。もっとも一般的なタイプは、加齢とともに発症する、加齢性白内障です。そのほか、別の病気に併発して発症する併発白内障、目のけがによって発症する外傷性白内障などがあります。この併発白内障の1つが、アトピー性皮膚炎が原因となって発症するアトピー性白内障なのです。

「アトピー性白内障」4つの特徴

(1) 濁りやすい皮質ではなく水晶体囊(すいしょうたいのう)が濁り始める

白内障の多くは、濁りやすい皮質や核から濁ります。それぞれ皮質白内障、核白内障と呼びますが、アトピー性皮膚炎から発症する白内障は、水晶体の中身を包むふくろである囊(のう)から濁り始めることが多いという特徴があります。

囊の前の部分が濁ることを前囊下(ぜんのうか)白内障といい、後ろの部分が濁ることを後嚢下(こうのうか)白内障といいます。どちらも、アトピー性白内障でよく見られる濁り方です。

(2) 進行が非常に早い

アトピーによって引き起こされる白内障は、水晶体の周りの皮質という部分が溶けやすいため、進行が早いのが特徴です。

加齢性の白内障は数年単位で進行しますが、アトピー性のものは数ヵ月、早い場合には数週間で、水晶体が一気に濁り、成熟白内障へと進みます。目の前にある指の本数が識別できないほど、急激に視力が低下することもあるのです。

(3) 早ければ10代でも発症

10~20代の若年性白内障で、もっとも多い原因疾患がアトピー性皮膚炎です。どうしてアトピー性皮膚炎を持つ人の発症が多いのか、仕組みはまだはっきりとはわかっていません。

アトピー性皮膚炎の治療に使われる、副腎皮質ステロイドホルモンが原因ともいわれますが、ステロイドを使っていない人でも、白内障を発症するケースはあります。また、ステロイドは、後嚢下白内障の要因とされることもありますが、前囊下白内障にはなりにくいことから、それだけが原因とはいい切れません。

ほかには、かゆさを我慢するために目のまわりを叩く癖があったり、まぶたを強くこすりすぎることによる、外傷が原因になっている可能性もあります。

アトピー性白内障で手術を受ける人の平均年齢は、30歳前後が多くなっています。10~20代でも手術が必要になる場合もあるため、若いからといって油断せず、なにか気になる症状があれば、早めに眼科医に相談してください。

(4) 網膜剥離(もうまくはくり)などの合併症を伴うことが多い

アトピー性皮膚炎の人は、白内障に加えて網膜剥離(もうまくはくり)を合併していることも少なくありません。網膜剥離とは、なんらかの原因で、網膜の土台(網膜色素上皮といいます)から、網膜が剥がれてしまった症状をいいます。

先に述べた、外傷性白内障の原因として考えられる、かゆみで目の周りを叩いたり、こすったりすることが、網膜剥離を引き起こしていると考えられます。

アトピー性白内障は若年層に発症が多いと説明しましたが、アトピー性の網膜剥離のおよそ7割は、15~25歳で発症しています。またそのうち4割では、両目で網膜剥離が生じています。

白内障の手術では、水晶体(カメラにたとえるとレンズ機能)を人工の眼内レンズに入れ替えることで、視力は回復することができますが、網膜(カメラのフィルム機能)は替えがききません。手術が遅れて網膜が変性してしまうと、視力が取り戻せなくなってしまうのです。

アトピー性皮膚炎の人は、特に網膜剥離が早期発見できるよう、定期的に眼科の検診も受けるなど注意が必要です。

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最終更新:5/25(土) 7:00
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