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クランク付きの携帯ゲーム機「Playdate」は、ピュアな遊び心で人々を熱狂の渦に巻き込んだ

5/26(日) 12:12配信

WIRED.jp

毎週届くゲームのびっくり箱

Panicはゲームの届け方にもひねりを加えた。Playdateは「シーズン方式」を採用しており、1シーズン(第1シーズンは12週間)の間に毎週新しいゲームが配信される仕組みだ。新着ゲームがあると、Playdateが点滅して知らせてくれる。ゲームの詳しい内容は実際にプレイするまでわからないし、プレイヤーはゲームを選んで購入することもできない。価格は本体と1シーズン分のゲームがセットで149ドル(約16,000円)になると発表されている。

配信予定の12タイトルのうち唯一情報が明かされているのは「Crankin’s Time Travel Adventure」。「塊魂」や「のびのびBOY」「Alphabet」[日本語版記事]などを手がけてきた高橋慶太による新作だ。

このゲームで大活躍するのが、件のハンドルである。本作はハンドルだけを使ってプレイするゲームで、それをくるくる回すことで時間を操作し、障害物をよけていくのだという。

ほか11タイトルが、どんなゲームになるのかは発表されていない。ただ、参加アーティストのなかには「QWOP」(キーボードの「Q」「W」「O」「P」だけを使って遊ぶ、ただ走るだけなのに高難易度なFlashゲーム)のベネット・フォディ、「Retro Game Crunch」(8ビットで描かれたファミコン風ゲームの詰め合わせ)のショーン・インマン、「Really Bad Chess」(使える駒とその配置がランダムに変わるチェス)のザック・ゲージなど、シンプルかつ癖になるゲームの開発者たちが名を連ねている。

24時間で7万人がメーリングリストに登録

「わたしたちがすでに所有して楽しんでいる、愛すべきほかのデヴァイスとPlaydateが競合することは望んでいません。補完的な関係になれるように設計しました」と、Panicは主張している。この非競争路線こそ、Playdateの特徴と言っていいかもしれない。

Playdateは、ほかのコンソールやプラットフォームに勝とうとしているわけでもなければ、ゲーム業界の何かを変えようとしているわけでもない。このコンソールは業界のゲームチェンジャーにはならないだろうし、なろうともしていないだろう。だが、むしろそこが魅力だとも言える。

Panicは自分たちが遊びたいものをつくり、それをシェアしただけだ。それでも24時間で7万人ものゲームファンがウェイティングリストに名を連ね、1,000以上の開発者たちがPanicに連絡したという。これもPlaydateからにじみ出るロマンや、遊び心に誘われてのことかもしれない。

もちろん、発売前に熱狂的な支持を受けても失敗してしまうコンソールはある。奇しくもPlaydateの発表と同じ5月23日、家庭用ゲーム機「OUYA」の関連サーヴィス終了が発表された。

OUYAは「テレビにオープンなプラットフォームをもたらす」「ゲーム開発を安価に、ゲームプレイを安価に」と謳ったゲームデヴァイスで、2012年にKickstarterで発表された際には850万ドル(約9億3,000万円)以上の資金調達に成功している。だが、Kickstarter以外での人気はまちまちだった。

Playdateは2020年に出荷予定で、プレオーダーは2019年後半に開始とされている。その真価はゲームが配信されるまでわからないが、いまは期待を胸に待っていることにしよう。

ASUKA KAWANABE

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最終更新:5/26(日) 12:12
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