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自律走行車を「遠隔操作」する技術、開発競争が静かに進行中

5/26(日) 15:10配信

WIRED.jp

米国では自律走行車の制御を完全に機械任せにするのではなく、人間が遠隔操作でバックアップすることを義務づける州が増えつつある。そこで静かに開発が加速しているのが、遠隔地にいるオペレーターが自律走行車を動かす「テレオペレーション」の技術だ。

オペレーターの認証体制も構築中

たとえ日中で道路が比較的すいている時間帯であっても、サンフランシスコからサンノゼまでの50マイル(約80km)を移動するのは苦痛だ。ベイエリアの運転は、よちよち歩きの赤ん坊と同じようなもの。眠っている(ラッシュアワーの渋滞)か、はしゃいでいる(猛スピードの追い越し合戦)か、どちらかなのだ。こうした苦痛は、ロボットが道路を取り仕切ってくれる日を待ちわびる理由としては十分だろう。

そして今回の取材相手、エヴァン・リヴィングストンがうらやましくと感じる理由でもある。彼はサンノゼのダウンタウンを走るクルマの車内で実施される取材に、自ら足を運ぶ必要がないのだ。

リヴィングストンが車内のスクリーンに現れ、「わたしが今日、みなさんの“テレオペレーター”になります」と告げる。そのとき彼は、オレゴン州ポートランドにあるオフィスでリラックスしながら、イスに座っていたのである。

コントローラーで遠隔操作

こうしてクルマは、走行しているほかのクルマの流れに合流した。クルマが動いているのは運転席に座っている男性のおかげではなく、オレゴン州にいるリヴィングストンの「運転」によるものだ。

リヴィングストンの前には複数のスクリーンが並んでおり、クルマの屋根に設置された4台のカメラから送られてくる映像を表示している。そして彼は、ハンドルとペダルを操作している。ちょうどレースシミュレーションゲーム「Forza Motorsport」を熱心にプレイする人たちが使うコントローラーのようなものだ。

彼はスタートアップのDesignated Driver(DD)でソフトウェアエンジニアとして働いている。同社は自律走行車の遠隔操作の正式名称である「テレオペレーション」に参入しようとしている新興企業だ。テレオペレーションはあまり話題にならないが、自動運転技術を世に送り出す上で極めて重要な要素となる。

この分野に本格的に参入している企業たちは、自分たちの自律走行車が十分な運転能力のないまま世界に送り込むつもりはない。少なくとも、遠隔でコントロールできるようにするつもりだ。実際にウェイモ(Waymo)やGMクルーズ、nuTonomy(ニュートノミー)、Zoox(ズークス)、Drive.ai、Uber、日産自動車といった企業は、いずれもテレオペレーション・システムの開発を密かに進めている。

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最終更新:5/26(日) 15:10
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