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【YZF-R6 デビュー20周年記念】1999年、『R1のインを刺す』ために生まれた【復刻インタビュー】

5/26(日) 17:31配信

WEBヤングマシン

令和元年のいま振り返る『Rの思想』

既報どおり、スポーツランドSUGOにて6月8日にYZF-R6 20th Anniversary が披露される。これは1999年に登場した初代YZF-R6のカラーリングを現代に再現したものだ。600ccスーパースポーツのなかでもR6は特別なものとして認識するライダーは多い。誕生当時を知っている世代であれば、なおさら。それは、やはり特別なマシンであったYZF-R1の『インを刺す』が開発テーマだったから。本気で1000ccに勝とうとした600ccはどのようにして生まれたのか、そのストーリーを紹介しよう。

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以下、ビッグマシン誌1999年1月号より

TEXT:Tetsuo MAKITA

序:Rの思想

YZF-R1の登場、それはあまりにも衝撃だった。従来の市販車からは考えられない軽さとパワーのバランス、そしてハンドリング。一躍ベストセラーへと上り詰めたのも理解できる。これに続くR6とR7も、やはり衝撃的だ。どうしてここまで徹底的に作り込んだのか、果たしてRシリーズとは何なのか。開発陣へのインタビューを通し、Rを貫く思想を徹底検証する。

エキサイトメントの追求、エンジンと車体の融合。これがRの根底に流れている

R1とR6、R7の3台を我々はYZF-Rシリーズと一言でくくってしまうが、開発陣はそうではない。イメージこそ似ているが、1台1台が個別のマシンだと考えている。シリーズとして共有するのは、およそ設計思想のみ。ここに世界中から賞賛の言葉を集めて止まない秘密が隠されている。

では、この設計思想は何かといえば、大別してソフト面とハード面があるという。ソフト面は“排気量に応じたエキサイトメントの追求”だ。

バイクは極端に言うと絶対に必要なものではない。あくまで趣味の乗りものだ。だからこそ、乗ったときに面白いという部分を一番大切にしたいと考えた。そこでエキサイトメントというキーワードを掲げ、これを最大限に追求したのがRシリーズの3車である。

「走りの楽しさの究極をエキサイトメントと呼んでいます。言葉にするとちょっと危ない表現になってしまいますが、スリリングの一歩手前と言えるでしょうか」(三輪氏)

このエキサイトメントを最優先して最適化、しかもシンプルに作り込んだのが“R”ということになる。おもしろければ、多少欠点があったとしてもいい。もちろん、ヤマハとして最低限のレベルをクリアした上でだが、狙ったエキサイトメントから外れるものは削ってしまう。例えば2人乗りなんかは多少犠牲になっても構わない。こうした思い切りのよさも特徴だ。

それと同時に、バイクに乗せられているのではなく、ライダーがバイクに働きかけて操ること。ただ漫然と速いのではなく、ライダーがコントロールする喜びが味わえるマシン。これを目指したことが“R”の根本にある思想でもある。そのため、走る・曲がる・止まるの中でも“曲がる”ことには相当にこだわっている。

つまり、乗りやすいマシンと面白いマシンは違うということだ。そのぶん、人によってはパッと乗ると乗りにくいと感じるかもしれないが、乗りこなしていく過程そのものを楽しむことができるし、乗りこなす満足感を味わうこともできる。こうしたライダーとマシンの濃密な関係。わくわくするような緊張感こそが、バイクを走らせる醍醐味と言ってもいいだろう。“R”の狙いは、まさにそこにあったのだ。

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最終更新:5/26(日) 17:31
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