ここから本文です

米国遺産税を完全回避の事例も!生命保険信託「ILIT」とは?

5/26(日) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

米国には様々な種類の信託があり、相続対策や資産形成など目的や用途によって設定するトラストは異なります。本記事では、米国富裕層が活用する生命保険信託「ILIT」について解説します。

高利回りな「インデックス型ユニバーサル保険」を活用

本連載第7回で述べたように、米国には様々なトラスト(信託)があります(関連記事 『米富裕層が「信託(トラスト)」を活用して節税する理由』 参照)。今回は、資産形成や節税目的で利用される特別なトラスト、Irrevocable Life Insurance Trust(通称「ILIT」)という米国の生命保険信託について紹介します。

ILITはその名の通りイレボカブル・トラストであり、一旦設定をすると、内容変更や撤回ができないトラストです。生命保険契約のために用いられる特別なトラストで、生命保険のポリシー(保険証券)がトラストの財産となります。

米国では、運用利回りが高く、保険料に対して死亡保険金が高額な「インデックス型ユニバーサル保険」を利用した資産形成スキームが多用されています。さらに、ILITをノングランター・トラスト(本連載 第7回 で解説)と設定し、保険契約をすることで、米国遺産税の回避が可能になるため、資産形成と節税において、最大限のメリットを得ることが可能になります。

◆Irrevocable Life Insurance Trust(ILIT)の構成

(1) セットラー(Settlor/委託者)とトラスティ(Trustee/管財人)がトラスト合意書(Trust Agreement)を交わし、Irrevocable Life Insurance Trust(ILIT)を設立

⇒セットラーの死後にトラスト財産を承継する人を、トラスト合意書に指定しておきます。原則として、あとから承継人を変えることはできません。

(2) セットラーがお金をILITに譲渡

⇒米国の判例法Crummey v. Commissioner, 397 F.2d 82(9th Cir. 1968)により、ILITへの譲渡は、トラスト財産の承継人へ贈与があったとみなされます。そのため、基礎控除額を上回る贈与に対しては、原則として贈与税が課税されます。

⇒ILITへ譲渡したお金は保険料として利用されます。一括で保険料を譲渡せずに、毎年の保険料に合わせて譲渡することにより、贈与税を調整することができます。

(3) ILIT(のトラスティ)がセットラーを被保険人とした生命保険契約を締結し、保険料を支払う

⇒セットラー(被保険人)の死後に支払われる保険金の受取人は、ILITになります。

(4) トラスティがトラスト合意書の指示に従い、ILITが受け取った保険金を運営

⇒多くの場合、トラスト財産(保険金)はあらかじめ指定した承継人に配当されます。

1/2ページ

最終更新:5/26(日) 10:00
幻冬舎ゴールドオンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

富裕層・企業オーナー必読!「知識武装し、行動する」ためのWEBメディア。「資産防衛」に関する最新情報とノウハウを配信!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事