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乃木坂46の“4番目の光”が放った力強い輝き 4期生の成長と決意を感じた横浜アリーナ公演

5/27(月) 11:01配信

リアルサウンド

 乃木坂46の4期生11人はグループ加入以降、ストイックなまでの自己研鑽に励んできた。彼女たちが坂道合同オーディションに合格したのは2018年8月19日だが、各グループに配属するためのセレクション期間もあり、乃木坂46の4期生として発表されたのは11月29日。ファンの前にお披露目される「お見立て会」は12月3日に行われた。

遠藤さくらの“絵画になるような美しさ”

 1期生の中田花奈はその間の4期生をこう語っている。「彼女たちはすでにシビアな環境にいるんですよ。合格してからセレクションがあって、その間のレッスンはかなり厳しかったと聞いてます。それもあって早くから『仕事』という意識を強く持ってる。1期から3期までとは違うなと思いました」(『月刊エンタメ』2019年2月号)。今年に入ると、2月21日から24日に開催された『乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVE』に出演。4月9日から21日には乃木坂46の伝統行事である『3人のプリンシパル』が行われた。

 第一幕での自己PRや演技を観て、ファンが投票。票数の多いメンバーが第二幕に出演できる、というシステムの舞台が『プリンシパル』シリーズだ。これまでの『プリンシパル』は自己PRでの創意工夫やエチュードでの対応力で役を獲得できることもあったが、今回は演技力のみが勝敗を左右する構成になっていた。

 11人が毎日のように涙を流しながら苦闘し、12日間16公演を乗り越えた千秋楽公演。5月25日に横浜アリーナで4期生単独ライブが開催されることがサプライズ発表される。厳しいレッスンの日々が再び始まった。

 5月25日、OVERTUREとともにオープニング映像が流れ、ステージに11人のシルエットが現れる。4期生たちは23rdシングル『Sing Out!』に収録された4期生曲「4番目の光」を初披露。11人は笑顔を絶やさず“先輩たちへの憧れ”と“自分たちの世代の輝き”を歌った。さらにノンストップで5曲を披露する。「ハウス!」では外周に走り出してパフォーマンス。ただ煽るだけではなく、しっかりと振りを踊ったうえでファンにアピールする姿が清く正しく美しく映った。「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」では11人が一気にスイッチを切り替え、曲の世界をシリアスに表現する。表情だけでなく上半身の体重のかけ方も変えているようだ。北川悠理と矢久保美緒の個性的なシンメは、乃木坂46の新しい可能性を感じさせた。

 ここまでセンターを務めたのは遠藤さくらだった。親や友達から「控えめすぎる」といつも言われていた遠藤。取材で「(他の4期生のように)もっと面白いことが言えればいいのに」と話すこともあった。23rdシングルの特典映像である個人PVのタイトルは「わたしには、なにもない」だ。

 しかし、ステージの中央に立つ遠藤には、曲の世界を自身の表現でコントロールできる力があるように感じた。

 矢久保が「4期生の絆を見ていただけたらと思います」と話したMCを挟み、11人が「全員センター」にチャレンジ。2014年12月12日に東京・有明コロシアムで行われた『アンダーライブ セカンド・シーズン FINAL!』から始まった乃木坂46の名物企画が「全員センター」だ。今回はシングル表題曲の中で「自分がセンターをやってみたい楽曲」を選んでパフォーマンスする。

 最初は賀喜遥香が「憧れが全部詰まっている」と語る「ガールズルール」のセンターに立った。「カッキー」コールの中、賀喜は青春の水しぶきが見えるようなハキハキしたダンスを披露する。掛橋沙耶香は映像を観て鳥肌が立ったという「裸足でSummer」をセレクト。「無邪気な哲学者」と感じさせるブログを綴る掛橋にピッタリな曲だ。

 筒井あやめはバースデーライブで踊った思い出を丁寧な言葉遣いで語り、「帰り道は遠回りしたくなる」をしなやかに舞う。柴田柚菜は「自分への応援歌」である「いつかできるから今日できる」で意志の強さを感じさせるパフォーマンスを見せた。

 北川のふわふわした雰囲気は「ハルジオンが咲く頃」と絶妙にマッチ。「私は乃木坂が大好きです」とストレートなメッセージを発信した。清宮レイは「めちゃくちゃ盛り上がりたい」という理由で「ジコチューで行こう!」を選び、元気いっぱいにステージで跳ねる。

 矢久保は「乃木坂46を好きになったきっかけになった」という「バレッタ」を歌う。嫉妬の森を小走りで抜け出した時、少しだけオーラが増したように感じた。「私もあんな風に踊れたら」と「命は美しい」を選んだ田村真佑は鋭い目力でステージを制す。

 センターステージまで歩を進めた遠藤さくらは「シンクロニシティ」を選択したことを宣言。以前なら諦めていたかもしれないが、『3人のプリンシパル』を乗り越えたことで、感情を出すことに挑戦したいと思ったという。その遠藤のパフォーマンスはどの瞬間を切り取っても絵画になるような美しさ。とくに手で顔を隠す時の表情は繊細にして大胆。1万5千人の心が一気に惹きつけられた。

 金川沙耶が思い出すだけで涙がこぼれてしまう曲「サヨナラの意味」のオリジナルセンターは橋本奈々未(卒業)。金川にとって橋本はまさに雲の上の存在だが、2人には「北海道出身」「元バスケ部」という共通点があるのだ。緑色の光に囲まれた金川の美少女ぶりに驚かされた。彼女はこのライブで一皮むけたことだろう。「全員センター」の最後は、早川聖来がキレのあるダンスとともに「太陽ノック」を歌う。横浜アリーナに一足早く夏が訪れた。モニターには『16人のプリンシパル』(1回目)で1期生がアカペラで「心の薬」を歌うシーンが流れる。当時、少女たちのありのままの歌声に心を打たれたファンも多いことだろう。その伝統を4期生が引き継ぎ、「心の薬」、「失いたくないから」を生の声で会場に届けた。「きっかけ」はソロで11人が歌い継いでいく。先輩たちが2015年の『FNS歌謡祭』で纏った“額縁衣装”を着ていたのも印象に残った。

 後半は「ロマンティックいか焼き」などの盛り上がるナンバーを披露。外周を何度も走り、衣装を何度も着替えた彼女たちの顔はキラキラと輝いていた。本編最後はアルバム『今が思い出になるまで』に収録された4期生曲「キスの手裏剣」を披露する。指で作ったハートからの手裏剣を「シュシュシュ」と投げる振りがあまりにもキュート。乃木坂46に新しい色が加わった瞬間だ。

 アンコールの「おいでシャンプー」では、「ナカダカナシカ」コールだけでなく「ヤクボミオシカ」コールが発声。SHOWROOM審査を賑わせた“謝罪ちゃん”は4期生として乃木坂ファンから愛される存在になっていた。

 MCで11人がひとりずつメッセージを発していくが、感受性が豊かな賀喜が泣いたことで、筒井、遠藤、清宮、北川、早川と涙が連鎖する。北川はこのライブが「これからの人生の原動力になりました」と語った。

 最後に「乃木坂の詩」を歌い、4期生は改めて乃木坂46の一員としての意識を強くする。遠藤は「『乃木坂46に来てくれてありがとう』と言ってもらえる存在になれるように頑張ります」と締めた。4期生は“夢”や“憧れ”で終わらせることなく、横浜アリーナでの単独ライブという大仕事を見事に完遂させた。彼女たちが未来を明るく照らし、乃木坂46の光は伸びていくことだろう。

大貫真之介

最終更新:5/27(月) 11:01
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