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日の丸半導体・ルネサス、ここへきて「株価急落」している意外なワケ

5/27(月) 6:01配信

現代ビジネス

ルネサスの「根深い経営問題」

 日本株市場は「令和ブーム」など遠い昔、ここのところの日経平均株価は3週連続安になるなど精彩を欠く展開を続けている。

 直近では米中貿易戦争が再燃する中、中国の大手通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)を排除するなど不穏な動きが活発化。さらに、イギリスではメイ首相が辞任を表明するなど世界的に政情不安が高まる中、海外情勢に翻弄された日本株市場は方向性を欠く展開から抜け出せないでいる。

 そんな日本株市場にあって、ズバリ的中率80%を超える『Phantom株価予報AIエンジン』(財産ネット社開発・運営、詳細はhttps://phantom-ai.com/)が導き出した「今週の注目銘柄」を紹介しよう。

 まず、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』がピックアップした大本命銘柄はルネサスエレクトロニクス (6723)である。

 そもそもルネサスエレクトロニクスといえば、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジーが経営統合した「日の丸半導体会社」の代表格として知られる。車載用マイコンに強みがあり、世界トップ級のシェアを持つ超優良企業だが、じつはここへきて厳しい局面に直面している。財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏が言う。

 「ルネサスが5月14日に発表した19年12月期第1四半期決算が、ひどい内容だったのです。本業の利益を示す営業利益が約12億円の赤字で、7年ぶりに赤字転落。前年同期が233億円の黒字であったの比べると、急激な悪化です。じつは株式市場ではこの決算発表後にボトムアウト期待で一旦株価が急騰したが、それも一時的に終了。アナリストの目標株価引き下げなどによって、同社の株価は再び反落へ転じたのです」

 ルネサスの不調は「一時的」なものではなく、「根深い」ものである――。

 要するに、マーケットは同社の経営についてそんな視線を持ち始めたわけだ。

落ちたシェア

 ルネサスの経営悪化の一因が、需要豊富な中国市場が米中貿易戦争の影響で低迷していることにあるのは確か。しかし、そうした外的要因だけが原因ではないところに、現在のルネサスの不調の「根深さ」がある。最大の懸念材料は、ルネサスのシェアが落ちているということに尽きる。

 「ルネサスの製品は世界トップクラスの技術力で評価されてきたが、ここへきてシェアをライバルたちに奪われ始めている。実際、今回の決算会見でその点を突かれると、ルネサスの経営陣が『シェアを落としているのは事実』と認める一幕があった」(アナリスト)

 しかも、である。ルネサスにとって稼ぎ場となり得る電気自動車(EV)などの車載分野で苦戦しているという現実があるのだ。

 「ルネサスの幹部によれば、ここの需要を『十分に取りこめていない』という。しかし、EV市場はこれから急成長が望める最優良分野の一つ。ここでライバルたちの後塵を廃すれば、将来的に経営の重大問題となりかねない」(前出・アナリスト)

 こうした事態を受けて、同社の株価は5月に入ってから100円以上急落。今週の『Phantom株価予報AIエンジン』も同社の株価について下落相場を予想しており、当面苦しい局面が続きそうなのである。

 前出・藤本氏も言う。

 「ルネサスの収益環境は厳しい。そのため希望退職を募るなど構造改革を実施していますが、その成否も見通せません。安値模索の展開に入ってしまった株価については一旦反発した分、さらに上値の重い展開が続きそうです」

 もちろんルネサスとしても指をくわえているのではなく、今春に米半導体大手企業を買収するなど、苦境打開の一手は打ってはいる。

 しかし、米中貿易戦争の悪化でさらに市況が悪化しかねない中、同社の経営の先行き不透明感は増すばかり。「今春には大手証券会社が同社の目標株価を大幅に引き下げた」と前出のアナリストが言うように、しばらく同社の経営から目が離せなくなってきた。

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最終更新:5/27(月) 8:45
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