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理系「高度人材」が売り手市場でもなかなか転職できない理由

5/27(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 働き方改革関連法が4月より施行され、従来は企業内に留まっていた人材がより幅広いフィールドで活躍することが期待されている。個人の転職へのハードルも年々下がり、国内の人材流動化が進められる一方で、研究・開発職をはじめとする未来のイノベーションを担うはずの高度専門職における人材と企業とのマッチングは進まず、採用難を迎えているという。高度専門人材の採用に、何が起きているのか。(取材・文/福田さや香+YOSCA、企画編集/FIREBUG+武田 鼎)

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● 高度な専門知識を持ちながら 希望の職に就けない

 ロボット設計技術者の大阪拓真さん(30歳)は、大学で機械設計を学び、ロボット製作サークルにも所属。大学院も合わせ約6年間、水中ロボットの研究に打ち込んできた。研究してきたロボット工学の知識を生かせる仕事を求め、23歳の時に技術者派遣会社に入社した。

 「学生時代に専門知識を身に付けていても、入社1年目からロボット設計に携わらせてくれるメーカーはそうありません。やりたいことが明確になっていたからこそ、メーカーではなく、仕事を選べる派遣会社を選択しました」(大阪さん)

 しかし働き始めてみると、実際に行う業務は機械の強度などの解析業務がメイン。いつまでたってもロボット設計業務は任せてもらえなかった。「ひとつのデータ解析作業が終わると、また別の解析を依頼されることの連続。どうしても『ものづくりをしている』という感覚が持てず、苦痛でした」(大阪さん)

 結局、希望の仕事ができなかったことから27歳の時に会社を退社し、新たな就職口を探し始めた。大手転職サービスに登録するも「機械設計」ができる求人はほとんどなく、自身の専門性を生かせる会社は、簡単には見つからなかった。

● 採用マーケットは 「文系」仕様でできている

 AIやロボット技術が注目される昨今、専門的なスキルを持つエンジニアは引く手あまたに思える。技術職や研究職、開発職といった高度専門職に特化した人材コンサルティングサービスを展開するアスタミューゼ執行役員の嶋崎真太郎氏(崎の文字は正式には“たつさき”)は、高度専門人材の獲得競争の現状について次のように語る。

 「企業はイノベーションを起こしてくれることを期待し、研究・開発職の優秀な人材を積極的に探しています。当社が2016年に実施した調査では、例えばエレクトロニクス業界の求人倍率は12.79倍。同年の全国有効求人倍率が1.36倍であることを考えると、非常に高い水準であることが分かります。従来は転職といえば業界内で行われることがほとんどでしたが、幅広い応用がきく技術を有するエンジニアの場合は、他業界とも人材の奪い合いになっている状況です」

 にもかかわらず、高度専門人材の転職がスムーズに進まない理由はどこにあるのか。

 「そもそも現状の採用マーケットは、理系の高度専門職ではなく、営業や事務といった文系の総合職人材を大量に獲得するために設計されています。その点を意識して採用方法を変えている企業は少なく、専門職の募集であっても総合職と同様に、職種の経験年数や年齢、年収といった画一的な条件によるマッチング手法をとっていることが少なくありません。一方の求職者側も、“専門性を生かしてやりたいこと”をキーに転職先を検索することができないため、文系人材と同じ条件で就活・転職活動をするか、もしくはいまだに大学や研究室からの紹介という採用形式に頼らざるを得ない状況。本当に重視している項目以外でマッチングが行われてきた結果、最終的に転職に結びつかず、高度専門人材の停滞やミスマッチが起きてしまっているのです」(嶋崎氏)

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最終更新:5/27(月) 6:01
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