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ファミマ澤田社長「加盟店を犠牲にした拡大はやめるべき」

5/27(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 コンビニエンスストア業界2位のファミリーマートは6月から、一部エリアで深夜に閉店する時短実験を始める。週刊ダイヤモンドのインタビューに応じた澤田貴司社長は、24時間営業の継続を希望する加盟店が多いとしながらも、今後時短営業の希望が増えた場合は、物流面を見直す考えを示した。『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集「コンビニ地獄」では、コンビニ業界が置かれた厳しい現状を取り上げる。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

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 ──2016年の社長就任時から、過剰出店により国内コンビニエンスストア市場は飽和していると主張してきました。

 コンビニはとにかく1店出せば、周辺のシェアは取れます。ただ、実態は限られたパイの奪い合いであり、(売り上げが)増えた分だけどこかで減っているのです。

 しかもわれわれは、ほとんどの店がフランチャイズ契約の加盟店であり、直営店舗のように自らのリスクで市場を取りに行くケースとは違います。加盟店に詰め腹を切らせるのはおかしい。そういうやり方は本当にやめるべきです。企業のエゴで加盟店にしわ寄せがいくような事態は、本当によく考えないといけない。

 ──ただファミリーマート自身も、過去の統合の経緯もあり、すでに国内2位の1万6000超の店舗展開をしており、人手不足に苦しんでいる加盟店があります。

 人手不足への対策は最も優先度の高い課題です。社長就任時、ここまで深刻化するとは思っていませんでした。加盟店の採用への支援と、店舗オペレーションの簡素化の2点に力を入れます。2020年2月期は総投資額1400億円のうち85%を既存店に振り向けます。

 ──都内と長崎県、秋田県と地域を限定した時短実験を6月から始める狙いを教えてください。

 主に検証したいのは、参加した加盟店の売り上げへの影響と、従業員のシフトを適切に組むことができるかどうかです。物流面への影響についても確認します。

 ──参加する加盟店を募集したところ、4月25日時点で270店中17店と少ない結果でした。物流面への影響を十分に調べることができますか。

 参加する加盟店は30店弱まで増えました。(弁当などの)工場や配送センターとの距離によって、時短実験による閉店時間までに配送できる店とできない店があるなど、さまざまなパターンが浮上しています。ですので、実験を経た上で丁寧に結果を調べます。30店弱の規模でも、物流面について一定程度の確認はできますよ。

 配送時間を見直せば、物流コストの上昇や、おにぎりや弁当といった食品の製造時間を組み替えるといったインパクトが生じる可能性が考えられます。こうした点をさらに詳しく検証する実験をするかどうかは、役員会での十分な議論を経たうえで改めて検討したいと思います。

 ――検証を踏まえて、将来、物流体制を大きく見直す考えはありますか。

 時短を希望する加盟店が増えれば、当然見直さざるを得ません。われわれのチェーンの大半は加盟店で成り立っています。加盟店のみなさんが「できない」ということに対して、本部は直営店のように「ふざけるな、やれ」とは言えないわけです。問題が生じたら、本部が解決していかないといけません。

● アンケートで判明、 1日8時間以上の勤務が約8割

 ――時短実験の対象エリアでは、オーナーや加盟店に雇用されている店長の勤務時間や休日取得の状況についてのアンケートも実施しています。

 人件費負担や労務管理の責任は本来、個別の加盟店にあるため、本部が踏み込むのはよくないと従来考えてきました。

 しかし、もはや放置すべきではないと考え直し、アンケートの実施に踏み切ったのです。1日の勤務時間が8時間以上の方が約8割で、週1回以上の休日を取れる方が約6割にとどまるなど、非常にハードワークな状況だと理解しています。

 一方で、週休2日をしっかりと確保できている加盟店もあります。個別に事情が異なるため、1店ずつ丁寧に対応していく必要があると思います。

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最終更新:5/27(月) 10:15
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