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「ホテル」に続々参入するハウスメーカーの思惑

5/27(月) 5:30配信

東洋経済オンライン

 京都や東京、大阪といった著名な観光地のみならず、近年ではその周辺地を含め、従来までは彼らがほとんど訪れることがなかった地域でも、外国人観光客の姿を見かけるようになった。例えば、筆者の故郷である福岡市(ホテル不足が顕著と言われている)がそう。宿泊施設が充実する博多駅や天神駅以外でも、彼らを目にする機会がかつてより確実に増えた。

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 そんな状況に目を付け、ハウスメーカーが今、ホテル(建設)事業に積極的な取り組みを始めている。そこで、事例をいくつか紹介することで、狙いや背景について迫ってみた。

■パナソニックホームズのホテルとは? 

 東京都墨田区にある「蒼空(そら)ホテル」(5階建て、1LDKを中心とした全7室)は今年3月に竣工した宿泊施設だ。建設したのは、大手ハウスメーカーのパナソニックホームズである。

 客室は和のデザインによるおもてなしの雰囲気で、ベランダもついている。東京スカイツリーを間近に望める屋上の共用スペースがあり、何より日本には少ない、ファミリーなど大人数で宿泊できるコンドミニアムタイプ(キッチンを併設)のホテルという特徴を持つ。

 このホテルが注目される理由はほかにもある。住宅向けの構造体が用いられており、しかも約30坪の土地に、約6カ月の工期で建設されたことだ。通常、同規模のホテルをゼネコンが建設すると約1年はかかる。

 現地は東京の下町の路地といった趣である。元々、古い民家を改築した宿泊施設があった場所だというが、周辺の人たちからすると、そこに突如、近代的なホテルが表れたというイメージではなかろうか。また、宿泊者、とくに外国人にとっても、このようなエリアにホテルがあることで、東京の飾らない姿を味わうことができ魅力的に感じるだろう。

 パナソニックホームズは、9階建て(ハウスメーカーでは最高階)にまでに対応でき、15cm単位で土地の形状に対応できる独自の重量鉄骨造技術を有している。

 これまで戸建て住宅や賃貸住宅、商業施設などの建設に用いられてきたもので、今回の事例はその特徴がホテルに応用されたものだ。

 同社がこのような宿泊施設の建設に乗り出したのは、政府が推し進める観光立国化、訪日外国人数を2020年に4000万人、2030年には6000万人にするという目標、それに伴うインバウンド市場拡大による宿泊施設不足への対応のためである。

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最終更新:5/27(月) 5:30
東洋経済オンライン

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