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リクシルお家騒動で潮田会長に「揺さぶり」をかけていた村上世彰

5/27(月) 5:58配信

デイリー新潮

 令和の幕が開いても収束の兆しを見せないガリバー企業のお家騒動。その裏で名前が取り沙汰されたのは平成を代表する経済事件の主役だった。新たな時代に息を吹き返した異端児・村上世彰氏(59)がリクシルにもたらすのは大団円か、はたまた更なる混沌か――。

 ***

 昨年12月上旬、「その男」はLIXILグループ(以下、リクシル)のトップ・潮田洋一郎会長兼CEO(65)にこう言い放ったという。

〈ファンドは臨時株主総会を開こうとするでしょう。彼らにとって重要なのはプロセスと業績。瀬戸さんがCEOを辞めた経緯が適切でなかったとすれば、潮田さんが損害賠償で破産に追い込まれる確率は高い〉

「瀬戸さん」とは、同社の瀬戸欣哉取締役(58)を指す。リクシルは、トーヨーサッシから社名変更したトステムと、INAXが経営統合して誕生した持ち株会社で、「グループ全体の売上高が1兆6千億円を超える、日本の住宅設備業界におけるガリバー企業」(経済部記者)だ。ご承知の通り、前社長兼CEOである瀬戸氏が退任し、トステム創業家の潮田氏が復権した経緯を巡って、同社はいま泥沼の内紛劇の真っ只中にある。

 そんな折も折、渦中の潮田氏に接触し、あまつさえ「破産」という言葉まで投げかけた「男」とは――。

 かつて「物言う株主」として、数多の名門上場企業を震え上がらせた村上世彰氏に他ならない。

 彼が率いた「村上ファンド」は、最盛期には世界中の機関投資家から5千億円もの資金を集めた。そんな村上氏が2006年にニッポン放送株のインサイダー取引疑惑で逮捕されたことはご記憶の方も多かろう。当時、「この世界から身を引きたい」と語った証券界の「プロ中のプロ」は、しかし、ここに来て再び猛威を振るい始めている。

村上ファンドから…

 そもそも、住友商事出身の瀬戸氏が、潮田氏から「プロ経営者」としての手腕を買われ、リクシルの社長に就任したのは16年のこと。しかし、蜜月は長くは続かず、〈17年頃から、潮田氏と意見が対立するようになった〉(トップ人事を巡る「調査報告書」より)。

「その結果、昨年10月27日に瀬戸さんは、潮田さんから“(経営陣の人事を検討する)指名委員会による決定なのでCEOを辞めてほしい”と告げられ、31日の取締役会を経て辞任している。しかし、後になって、潮田さんが一部の指名委員に対し、“瀬戸さんからCEOを辞めたいと言われた”と“瀬戸辞任”を誘導していたことが発覚。瀬戸さんとしては“話が違う”となったわけです。しかも、指名委員会のメンバーである潮田氏が後任に収まったことでお手盛り批判も持ち上がった」(先の記者)

 こうして内紛の幕は切って落とされたのだ。

 それから1カ月が経過した昨年11月下旬、経営陣の確執が激化するなか、リクシルの取締役会が開催される。ここで名前を取り沙汰されたのが村上氏だった。

 本誌(「週刊新潮」)が入手した議事録によれば、会議の冒頭、潮田氏はこう口火を切った。

〈実は、村上ファンドからアプローチがございまして、臨時(株主)総会を開催することを要求されるということを私が電話で受けまして、それで、取締役全員の解任というふうに進むということを求められると。村上さんは、瀬戸さんがそれを要求するのだという話を、事実かどうか分かりませんけれども、あったものですから〉

 共にシンガポール在住で、村上氏と面識のある潮田氏にとっても電話の内容は寝耳に水だったようだ。一方、名指しされた瀬戸氏は、

〈村上さんと私は確かに友人関係があって、本件の話をしたときに村上が非常に憤りを感じて、それは何かしなくてはいけないのではないかと言ったことは事実です。だからといって、村上さんと私が何か一緒にやろうとしているなんてことはありません。(中略)村上さんと一緒に組んでうんぬんと言われる話には、あまり愉快な感情は持たないのですけれども〉

 と、「友人関係」は認めつつ、結託はしていないと断じ、不快感を露わにした。

 ちなみに、村上氏は2017年に刊行した著書『生涯投資家』でも〈私が期待している経営者にLIXILの瀬戸欣哉社長がいる〉と持ち上げている。

 結果的に、この取締役会で「村上案件」への具体的な対応は示されなかった。

 だが、複数の関係者への取材を進めたところ、この取締役会からまもない昨年12月上旬――。

 潮田氏と村上氏が、改めて電話でやり取りしていたことが分かったのだ。

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最終更新:5/27(月) 5:58
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