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クルマが自動でドクターヘリ要請 救急装置搭載の意義

5/28(火) 10:12配信

NIKKEI STYLE

「先進安全」と言えば自動ブレーキが有名だが、今回はもう一つの有用な機能「ヘルプネット」を取り上げる。交通事故時にクルマが警察や消防などに自動で状況を伝えるシステムで、2018年発売の新コネクテッドカー、トヨタ「クラウン」「カローラ」などで標準装備になった。ドクターヘリを自動で呼ぶことができるために救命の可能性を高められるというシステムの内容と意義について、ドクターヘリで著名な日本医科大学千葉北総病院の本村友一医師に小沢コージ氏が話を聞いた。

■17分縮めるだけで救命確率が飛躍的に高まる

小沢コージ(以下、小沢) すみません。僕は日本にドクターヘリがどれくらい普及しているかも知らなかったんですが、先日トヨタコネクティッドの話を聞いて驚きました。新型カローラかクラウン、もしくは一部のホンダ車に乗っていれば(今年に入って日産、スバル、マツダも対応)、事故時に自動でドクターヘリが呼べると。しかもD-Call Netを使うことによって、今までより17分も早くヘリが呼べて、命が助かる確率が飛躍的に高まる。これを聞いたとき、車内でネットサーフィンもいいけど、それ以上にこの機能だけでカローラを買ってもいいんじゃないかと思ったくらいです。

本村友一さん(以下、本村) 今回導入されたD-Call Netで見込まれる効果というのがあります。医学的な話ですが、例えば事故で大きなけがをして出血が始まると、時間とともに水道管が破れたように出血が続き、死に至ってしまう。そこで外傷の「ゴールデンアワー」というものを定めています。受傷して60分以内に根治的な治療をめざすというものです。


小沢 1時間以内に血を止めれば何とかなる。それが1つの救急医療の目安なんですね。

本村 ただし交通事故に遭うと、あっという間に時間が過ぎて、救える命も救えなくなってしまうことが多いんです。日本にドクターヘリシステムが導入されて19年目、それでも事故発生を消防が把握するまでに5分、そこから消防がドクターヘリを要請するまでに15分。つまり事故発生からヘリを呼ぶまでに20分もかかっています。

さらに医師がヘリで現場へ飛び、現場で患者に接触するまでに18分。ヘリを使っても最初に診るまで38分もかかっているんです。しかも現場ですぐ手術は始められないので、病院に連れて帰るのにさらに29分。つまり事故から67分後に患者は初めて病院に到着するわけです。これに加えて輸血や検査で、現状では67分プラスアルファの時間がかかっています。このアルファは病院によっては約2時間にも及びます。

小沢 救急車が一度現場に呼ばれ、ヘリを飛ばすかジャッジしているから時間がかかるんですね。

本村 そこで何とかゴールデンアワーを達成し、より多くの患者を助けたいと考えたときにどの時間を削れるかと考えれば。

小沢 最初の20分を削るしかないと。

本村 それがそもそものD-Call Netの発端です。D-Call Netが機能することで、20分かかっていたヘリの要請が3分以内になりました。17分も短縮できています。

小沢 事故時にクルマが自動で乗客のけがの具合を判断し、自動通報するのがキモですね。どういう仕組みなんですか。

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最終更新:5/28(火) 12:15
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