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少子高齢化社会の日本で「子ども向け」の商品がヒットする理由

5/28(火) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載では、飽和状態のハミガキ粉市場で、「超高価格の子ども用ハミガキ粉」を大ヒットに導いた筆者が、自らの経験を基に、「レッドオーシャン」で勝つためのビジネス戦略について解説します。

従来の常識を覆すことが、新しいビジネスを生み出す

私は、仕事において「これで十分」ということはないと思っています。そこで、常に研鑽するために本質を考えることに努めてきました。その結果、「常識」とされてきたことに疑問を感じることも、人より多かったのかもしれません。

そして、「本物」の提供が仕事だと思っていますから、疑問を感じたことは放っておけません。何ができるのかとことん考え、結果として必要な場合には、従来の常識を覆そうとしてきました。その経験から、常識をひっくり返すことが新しいビジネスのスタートラインになるのではないか、という感覚があります。

では、この連載で取り上げているハミガキ粉という商材を例にとって、これまでどんな常識があったのかざっと挙げてみましょう。

従来のハミガキ粉の常識は、

・そもそも子ども用のハミガキ粉はすでにたくさん存在している

・ハミガキ粉には界面活性剤、殺菌剤、保存剤等が使われている

・歯みがきをすると泡が出る

・ハミガキ粉は食べられず、歯をみがいたら口をゆすいで出すものである

・フッ素は必ず必要である

網羅しようとすれば、もっといろいろありますが、ここに挙げたようなことは、従来のハミガキ粉なら「当たり前」のことだと言えます。

しかし、私たちの乳酸菌ハミガキ粉は、本当の意味で子ども専用に作られた世界初のハミガキ粉であり、これらの常識をすべて覆しているのです。

このような新規商品は、常識の延長線上にはなかなか生まれないのではないかと思います。

歯の健康をめぐっては、こういう常識もあると思います。

・甘い物を食べるのがむし歯の原因

・歯みがきをしていればむし歯が防げる

・歯みがき剤やフッ素をたくさんつけたほうがよい

また、ビジネスに関しては、こういう見解もひとつの常識かもしれません。

・市場規模が大きいほど儲けるチャンスがある

・大手企業と手を組み、広告費をかけるほど儲かる

・商品の原料・製造コストは下げるべき

こういった「常識」は、誰でも何となく受け入れていて、あまり疑おうとしないことではないかと思います。しかし、本質を考えて得られる答えと常識との間には、違いやズレがあることも少なくありません。

仕事の本質とは、お客様を幸せにし、世の中に貢献することですから、もし新商品・新規サービスを世に問うなら、本当にお客様を幸せにし、世の中をよくし、プロとしての自分の心が納得するものが望ましいと思います。

そうした仕事が可能になるのは、その商品・サービスの本質を考えた結果、消費者の我慢や不満などについて、深い気づきを得られた場合ではないでしょうか。

では、どうしたら消費者の深い我慢や悩み、不安を見つけることができるのでしょうか?

現在はネット社会なので、注意深くネット検索などを繰り返して調べると、どれぐらいの人が悩んでいるか、困っているかがわかってきます。すると、何気なく当たり前と思っている人が多く、不満を持ちながらあきらめてしまっていることに疑問を持ってくるはずです。そこに、ライバルが多い市場でも、ぽっかり空いている市場があるかもしれません。

また、マーケティングを成功に導くひとつの要素に、ライバルと同じ市場の中で自分たちをどう位置づけるかというポジショニングもあると思います。

私たちは、「ハミガキ粉の値段は数百円」という常識がある中で、いったんその常識を離れて考えてみた結果、「値段は高くても本物を提供する」という路線に行き着きました。安いものをよしとする価格競争の概念から自由になり、「本当によいものだけを妥協せず提供する」ということも、有効なブランド戦略になりうるのです。

高い買い物をしたお客様が感謝し、ファンになってくれる―。そのような結果を出すためには、「本物」を提供することが大前提になると思います。しかし実は、その前に、もっと重要なことがあります。

お客様に「本物」を理解していただき、支持をしていただくには、競合の多い市場の中で、自分たちの商品をどう位置づけ、どのような人たちにお客様になってもらいたいのかを明確にしておく必要があります。

つまりターゲティングです。ご存じのように、ターゲティングとは自分たちの商品・サービスをどんな人たちに買ってもらうか狙いを定めることです。実は、商品開発より先に大切なことは、悩んでいる人や買ってくれると思われる人がどれだけいる市場なのかを調べることです。つまり悩みや不満の多い市場をターゲットにすべきなのです。

いくら本物の商品だと自分たちが勝手に思ったとしても、売れなくては仕方ありません。ですから、ターゲティングとは、自分たちが決めるものではなく、顧客が決めるものなのです。

また、自分たちの商品にどんな特性を持たせるかという商品戦略も、ターゲティングに基づいて決まってきます。そうした顧客のターゲティング、商品戦略のスタートラインにあるのは、情報の収集に尽きるだろうと思います。

いくら「ハミガキ粉はこうあるべきだ」という思いが強くても、思い込みだけでは何も始まりません。また、漠然と「市場規模が大きいから」といった理由でターゲットを定めると、最初から大事なポイントを外すことになりかねません。お客様になってもらえる人たちを把握し、そのニーズを知るためには、当然ながら、まず情報が必要です。

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最終更新:5/30(木) 20:06
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