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[教えて! 尚子先生]なぜ今、イラク戦争関連のアメリカ映画が立て続けに公開されているか?イラク戦争関連映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』と『バイス』から

5/30(木) 20:00配信

ダイヤモンド・ザイ

 この春、『記者たち 衝撃と畏怖の真実』と『バイス』という、イラク戦争関連のアメリカ映画が公開されたことをご存知でしょうか?  なぜ、いまこの時期に?  その背景には何があるのか?  日本では珍しい女性の中東研究家として活躍する岩永尚子先生がわかりやすく説明します。

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 日本で今年3月下旬から4月にかけて、イラク戦争(2003年:ブッシュ(息子)政権下)関連のアメリカ映画が2本、立てつづけに公開となりました。この2本の映画がどちらも「実話」にもとづいて作られているとのことでしたので、この時期になぜ2本も続くのかな?  開戦後16年というある程度の時間が経過したからかな? などと疑問に思いながらも、あわてて映画館に足を運んでみました。

 1本だけでももちろん勉強になりますが、できれば両方ともご覧になることをお勧めしたいところです(この2本ともを観ようと思っている方は、そうそういないとは思いますが)。2本観ることによって、イラク開戦に向けてのアメリカの指導部の動きを、政権の内側と外側の両方から理解できると思ったためです。

 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(アメリカでの公開は2018年9月)は当時のアメリカ社会が、どのような状況で戦争へと向かっていったのかを理解させてくれます。一方、『バイス』(アメリカでの公開は2018年12月)は当時のアメリカ副大統領であったチェイニーたちを中心に、戦端を開くために、権力者たちがどのように動いていたのか、政権内部のやり取りを教えてくれます。

 まだご覧になっていない方で、2本とも観てみたいと思われる方は、公開順のとおり、『記者たち』ののちに『バイス』を観たほうがよいでしょう。1本だけ観てみたいという方には、ここで紹介する、私の感想などを参考にしていただければ幸いです。

 率直な感想としては、『記者たち』はいわゆる「アメリカの良心」を感じさせるような清涼感が残ります。『バイス』は映画自体のシニカルな手法も相まって、何事も一筋縄ではいかないというか、何とも言えない後味を残してくれます。ネタバレはできるだけ避けるつもりですが、簡単にこれらの映画について解説し、その背景に何があるのかを考えてみたいと思います。

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最終更新:6/5(水) 17:25
ダイヤモンド・ザイ

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