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共働きの家計管理 老後資金など夫婦で「ゴール」共有

5/31(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

子どもがいない共働き夫婦。負担額を決めて家賃や食費、日用品をやりくりしています。旅行代など別枠で用意していません。今は不都合はありませんが、大丈夫でしょうか。(40代女性)
◇ ◇ ◇

■回答者:ファイナンシャル・プランナー 前野彩さん

家計のやりくりにゆとりが出やすいのは、働き手が1人よりも2人の家庭です。一方、収入が2つある分、家計管理の難易度は高くなります。
共働きの家計管理は、主に3タイプに分けられます。
1つ目は「支出分担派」。例えば、夫は住居費、妻は食費というように、支出ごとに負担者を決めているタイプです。ただし、その決め方は、たまたま契約の手続きをした人ということが多く、結果として支出分担派になっているため、整理が必要です。
2つ目の「金額分担派」は家計費として出す割合や金額を話し合い、家計費用と決めたどちらかの名義の口座にお金をまとめ、ここから住居費や食費などの共通支出を賄っています。
3つ目の「1人分で生活派」は例えば夫の収入ですべての支出をやりくりし、妻の収入は全額貯蓄というタイプです。夫婦の収入に大きな差があるときや、一方が後から働き始めた家庭に多いケースです。夫の家計への関心が低くなりやすい傾向があります。

相談者さんの家計は、金額分担派にあたります。日常の支出の管理はできるものの、特別な支出はそのときにお金のある人が支払うことになりがちな点が課題です。共働きのうちは乗り切れても、年金生活というボーナスがない家計になると、行き詰まる可能性があります。

そこで人生100年時代を意識した改善策として、「ゴール」を共有化しましょう。ゴールには短期と長期があります。
短期は相談者さんが心配されている旅行のほか、電化製品の買い替えや固定資産税の支払いなど「毎月は発生しないけれど毎年か、数年に一度のイベント」のことです。
日常の支出と同じように夫婦で使うお金は2人で準備するルールをつくりましょう。予算と負担割合を決めるだけで楽しく使うことができ、その結果、それ以外のお金の自由度も高まります。
長期のゴールは老後資金やお子さんがいらっしゃる場合の教育資金などです。例えば、65~100歳の老後資金をゴールとします。夫婦の将来の年金月額が合計30万円で支出が33万円ならば、不足する3万円の35年分、計1260万円を65歳までにためる必要があります。
ゴールの項目や予算は、仮でかまいません。正確さよりも、2人の人生とお金について話す機会を持つことが重要です。このため方を夫婦で話し合ってみましょう。
とはいえ、「夫婦でお金の話をするとけんかになる」という壁が立ちはだかるかもしれません。実は今回、別の30代共働きの男性から「年1回、お互いの貯蓄額を披露しているが、別に用意している家計口座にいくらあるのか、妻に教えてもらえない」という悩みも寄せられました。
今のままで問題ないと感じている方にとっては「管理されたくない」「口出しされたくない」「貯蓄ができていないことを知られたくない」という思いから、「お金の話はしたくない」という防御態勢に陥ってしまうことが少なくありません。聞く側は「これからの大きな買い物や老後資金に備えるため」というスタンスを貫きましょう。
それでもパートナーの態度がかたくなに感じたときは、方針を変えてみましょう。相手の貯蓄や収入には触れず、長期と短期のゴールとため方に絞ると、意外と前進することがありますよ。
また、相手の貯蓄額を知ったときに「これだけしかたまっていないの?」という結果に焦点を当てた感想は控えましょう。その代わりに「やりくりをしてくれてありがとう」という過程を重視した言葉かけをしませんか。
家計管理に悩む人がパートナーに言われて「うれしかった」「ほっとした」「頑張ろうと思った」という言葉が「ありがとう」なのです。
[NIKKEIプラス1 2019年5月25日付]

最終更新:5/31(金) 12:15
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