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「その気になれば結婚できる」と思っていた34歳金融系OLが、婚期を逃した理由

6/1(土) 5:20配信

東京カレンダー

―“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定観念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増える=幸せとは、限らないようだ。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。初回は、結婚願望が強いという美香(34歳)に話を聞いた。

File1:婚期を逃した女

名前:沢井美香(仮名)
年齢:34歳
職業:証券会社OL
住居:清澄白河


「お待たせして、すみません」

丸の内の仲通りにあるカフェに現れた美香は、口角を上げて涼しげに微笑んだ。

この近辺の証券会社でエリア総合職として働く彼女は、今年で34歳。長身のスリムな体型に艶やかなストレートヘアが美しく、清楚な印象だ。

しかし真正面から彼女を見ると、整った顔立ちではあるもののファンデーションが分厚く塗られており、その肌は明らかに荒れて疲れが滲んでいた。

「......周囲にはそれほど結婚願望はないと言ってますが、本当は今すぐにでも結婚したいです。でも、今さら理想の結婚なんて難しそうですけど」

美香は前触れなく、自嘲気味に語り始めた。

「戻せるなら、10年前に時間を戻したい。そうしたら、何もかもやり直せるのに」

そうしてカフェインレスのコーヒーを啜った彼女は、皮肉っぽい笑みを浮かべた。

「私、“他人から羨まれる結婚”に執着しすぎたんです。本当に、馬鹿ですよね」

「あの子に、勝たなきゃ」という結婚観

「30歳あたりで仕事も楽しくなってきたし、自分は結婚“できない”女じゃない。だから、中途半端な結婚はしないって思ってました」

数年前まで、美香は結婚願望を持ちながらも、特に危機感は感じていなかったようだ。

「素敵な男性は周りにたくさんいたし、出会いにも困りませんでした。会社でも、責任ある仕事をいくつか任せられるようになって…。仕事もプライベートも充実していたので、無理に結婚を決める必要を感じなかったんです」

しかしそんな中、周囲の女たちは30歳を節目にどんどん結婚を決めていったそうだ。

「20代に散々チヤホヤされて楽しく過ごした友人が、年収1,000万そこそこの手堅い男性に落ち着いていくのが不思議でならなかったですね。だいたい歴代の彼氏よりレベルが下がってるんですよ。要は、収入がね」

美香は、少しずつ早口になる。

「で、結婚した子たちの言い分はこうです。“安心と堅実が一番だから”“お金のある人は浮気するって学んだから”。でも、夫婦共働きで生活費出し合って、家事の負担まで増えるなんて、それが幸せだなんて思えなかった」

好きなときにブランドバッグひとつ買えない生活。妻という立場と引き換えに物欲を抑えることは勿論、都心から郊外に引越す女もいた。

「でも結婚すると満たされて物欲がなくなるとか、静かな場所でゆっくり暮らしたくなるとか、そんな話を聞くたびに辟易してました。言い訳がましいなって」

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最終更新:6/1(土) 5:20
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