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こころとからだを同時に整える! メンタルヘルスへの東洋医学からのアプローチ【第1回】

6/3(月) 12:11配信

GQ JAPAN

からだからくるこころの病、こころからくるこころの病

こころはからだの治療ですべて治るかと言えば、そんなことはありません。こころの病には、大きく分けてふたつあるからです。

1.「からだからくる」こころの病
こちらはからだを治療すると改善します。

2.「こころからくる」こころの病
認知行動療法や心理療法が必要です。

もちろん、多くの場合は1.2.の両方が関わっていますが、いずれの場合も双方から治療すると早く治ることは言うまでもありません。ただ、ここで強調したいのは、人間のこころというのは、想像以上にからだの不調が原因であることが多いのです。

ここでは簡単に、1.と2.の見極め方をご説明しましょう。

この1カ月間であなたが感じた怒りや不安・悲しみの内容を思い出してみてください。その内容を「はっきりとは覚えていない」「なんとなく思い出せるけれど、モヤモヤとした不安やイライラが大きい」という人は、1.の「からだからくる」系です。ちなみに家庭内での怒りは、「からだからくる」場合が多いのが特徴です。乳児のときのように、家族に対しては他人と接しているときのようなフィルターがないぶん、からだの不調がこころに直結してしまうのです。

逆に、具体的にひとつひとつの内容をはっきりと思い出せて、その理由が少なければ少ないほど、2.の「こころからくる」問題が大きいといえます。あなたのなかに、何かへの固執や執着があることが考えられるからです。その場合は、生じている問題に対して、カウンセリングなども併用し、言葉や行動などの治療をしなければなりません。

現代の医療では、こころの問題を考えるときに、こころのことばかりに重きを置いてしまう傾向があります。それは、先ほどもお話しした、こころとからだの連続性が科学的に証明されていないためです。

そこで次回からは、具体的に「からだからくる」こころの病にはどんなものがあり、どう治すのかということを説明したいと思います。東洋医学で「気血水(きけつすい)」と呼ぶ3つの要素をもとに、こころの病について考えてみましょう。


伊達伯欣(だて ともよし)
PROFILE
1977年、ブラジル・サンパウロにて日本人の両親の間に生まれる。3歳から日本に移住。高校卒業後、新聞奨学生を経て日本医科大学医学部に入学。卒業後は海老名総合病院にて初期研修および内科研修を行い、その後日本医科大学救命救急科、同東洋医学科に在籍。2007年から2015年まで免疫学の基礎研究に携わる。救命救急科、東洋医学科、総合診療科の医師として勤務しながら、救急医療の場において処方の8割以上が漢方薬という東洋医学を中心とした総合診療を行なっていたところ、漢方診療の継続を希望される患者さんが増え、2014年10月3日より「つゆくさ医院」を開院。
執筆活動も行なっており、ウェブサイトele-kingなどで連載、2015年4月には東西の医学と食事・音楽に関する本『からだとこころの環境』を発売した。

文・伊達伯欣(つゆくさ医院)

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最終更新:6/3(月) 12:11
GQ JAPAN

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