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ダイヤモンドの形成、なんと海底の堆積物が鍵だった、研究

6/3(月) 18:21配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

炭素と地球深部の岩石とともに高温高圧で煮込んで検証

 オーストラリア、マッコーリー大学の博士課程の学生だったマイケル・フェルスター氏は意気消沈していた。実験室で雲母(うんも:薄く剥がれる性質をもつ、キラキラと輝く鉱物)を作り出そうと何カ月間も格闘していたが、なかなか成果が出なかったからだ。しかし、指導教官に相談すると、困惑はみるみるうちに歓喜に変わった。別のキラキラした鉱物の謎めいた起源を説明できたのだ。そう、ダイヤモンドである。

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 ダイヤモンドはなぜか結晶の中に、アルカリの塩水を含んでいることが多い。この「流体包有物」は、長らく科学者たちを悩ませてきた。5月29日付けの学術誌「Science Advances」に発表された論文によると、ダイヤモンドの中の塩水は、大昔の海の底にあった堆積物のタイムカプセルなのだという。

 地球の表面には、プレートどうしが出会って一方が他方の下に潜り込む「沈み込み帯」という場所がある。海底の堆積物も、ここで地球深部へと引き込まれる。今回の研究では、地下100kmから200kmの間で、地中に引き込まれた海底の堆積物と地球深部の岩石が、高温でぐつぐつと煮込まれる複雑な反応が再現された。そして、反応の鍵は海底堆積物にあるらしい。

「すっかり興奮してしまいました」と、現在はマッコーリー大学の博士研究員であるフェルスター氏は言う。「それがどんなに特別なことなのか、理解したからです」

 カナダ、アルバータ大学のダイヤモンド地質学者であるトーマス・スタヘル氏は、数十億年前に、生まれたばかりの高温の地球で形成されたもっと古いダイヤモンドには、この機構は当てはまらないかもしれないと言う。けれども、より新しいダイヤモンドについては、「非常に良い、興味深い説明」になるだろうと評価する。

「これが最終的な結論になるかはわかりませんが、彼らは堆積物を溶かして、ダイヤモンドの流体包有物と非常によく一致するものを作り出したのです」

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