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株価は「米中対立の激化」で逆に反転する?

6/3(月) 5:40配信

東洋経済オンライン

 「令和の波乱」は始まったばかりなのか。ドナルド・トランプ大統領は5月30日夜(日本時間31日朝)、不法移民対策が不十分だとして、メキシコからのあらゆる輸入品に6月10日から5%の制裁関税を課す方針を明らかにした。

 しかもその後のメキシコの対応が不適切なら、月に5%を追加し、10月までに25%にまで引き上げるというもの。31日のアメリカの株式市場では打撃が大きい自動車株を中心に売られた。さらに、中国商務省の報道官が、ファーウェイ制裁に対抗して「中国企業の権益を損ねる外国企業」のリストを作成する考えを表明したため、米中対立のさらなる激化を嫌気して中国関連株も売られた。

■米中対立は「解決時期が早まった」という見方も? 

 トランプ大統領が国内の反対を押し切って、中国やメキシコへの圧力を強めているのは、アメリカ国内のダメージがまだ数字に現れていないからだ。実際「対中制裁関税第4弾」の発動はこれからで、第3弾がようやく6月1日から始まったばかりだ。

 ここまで発表されたアメリカの経済指標には、第3弾に向けての駆け込み需要がプラスに現れている変則的なものだ。本格化した関税強化のこの第3弾の影響は大きいと思われるが、数字に表れるのはこれからだ。

 さらに、第4弾の対象はアップルのスマホなど携帯電話や、ノートパソコンなどがあり、衣類などを含む消費財が一気に入って来る。生活や産業への影響が大きい一部の医薬品やレアアースは除外することになっているが、そのレアアースは中国側から輸出拒否も示されている。これからアメリカ国内のダメージが急激に拡大するのは目に見えている。

 今週発表される5月のISM景況指数(製造業は3日、非製造業は5日)や同雇用統計(7日)は、第1弾と第2弾の影響と、4弾、5弾の駆け込み需要がまじりあっての数字だが、もし、この条件で厳しい結果が出たら、国内の「関税強化反対論」が急速に高まるだろう。「大統領選挙に勝つ」という究極の目的があるトランプ大統領にとっては許容できるものではない。このことが、米中対立沈静化へのきっかけになるという見方もある。

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最終更新:6/3(月) 5:40
東洋経済オンライン

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