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累計1750万部! 「印税」「人気の理由」……医療小説の旗手・海堂尊が赤裸々に答えた!

6/3(月) 7:00配信

Book Bang

『チーム・バチスタの栄光』を皮切りにベストセラーを連発している海堂尊さんが、自身の作品群を一気に電子書籍化するという。多くの映像作品の原作を含む著作を平成から令和へというタイミングで電子化する理由について話を聞いた。

累計部数は1750万部超え! 

── 一斉電子化とは、アイディアマンの海堂さんらしい仕掛けですね。いつ頃から考えていらしたのですか。

(海堂) いまや電子書籍化は当たり前なので、今さら既刊を電子化しても誰も知らないんじゃ意味ないな、と考えたんです。で、どうせやるなら全作品を一気にやれば、面白がって取り上げてくれる媒体が出てくるのではないかと。現にこうしてインタビューして頂いてるわけですし(笑)。

──もちろんそれもありますが、インタビューさせて頂きたかった一番の理由は、40作品で1750万部という驚愕の累計部数におののいたからです。デビューから13年しか経っていないのに、すごい数字ですね。ちなみに獲得印税額を計算してみますと……。

(海堂) 勝手に計算しないでくださいよ、自分でも把握してないし、半分はお国に召しあげられているんですから……(笑)。宝島の基幹シリーズが閉じたときに累計販売部数が1千万部を超えたことは教えられましたが、今回、一斉電子化にあたり累計部数を書いた方が効果的、と各社横断編集者合同会議でアドバイスされ、各社の担当さんに調べて頂いて、改めてびっくりしました。褒めて頂けるのは嬉しいんですが、上には上がいますし、どうもピンときません。
 でも部数ばかりを競うような昨今の風潮には危機感も抱いています。今、チェ・ゲバラの生涯を描く「ポーラースター」シリーズを書いていて、作品の質と熱量には自信を持っているんですが、売り上げは桜宮サーガシリーズには遠く及びません。でもこの物語は僕しか書けないし、僕が書くべきだと信じて執筆しているわけです。
 参考文献を150冊くらい挙げていますが、それでも実際の半分以下に絞っています。それは先人に対するリスペクトで、歴史ものを書く以上、当然の礼儀です。
 ノンフィクションと謳いながら参考文献を一冊も挙げず、刷り部数ばかり喧伝するような本も見掛けますが、売ったモン勝ちで売れれば何をしてもいいのか、そんな書籍を是正・排除できない出版界や書店は文化の担い手としての最低限の矜恃やモラルを失ったのを露呈させても恥ずかしくないのか、などと思うともう悲しくて悲しくて……。

──ス、ストップ。これは海堂さんの電子書籍刊行記念インタビューですので。

(海堂) 確かに。でもこんなことを口走ってしまう理由も理解してください。僕の座右の銘は「物議を醸す」で、物議を醸すのは、風通しをよくしたいからで、風通しが悪いとカナリアは死んでしまう。そしてカナリアは社会の空気が濁ってくるのをいち早く感じ取るわけで。あ、そんなカタルシスを求める読者が多いから売れたのかも。それと、医療小説というジャンルに需要があって、僕の作品がそこにハマったからなのではないかとも思っています。でも書きたいもの、書かなければならないと思うもの、そして僕にしか書けないものを書くというスタイルを貫いてきて、その結果としての数字ですから、とても嬉しいです。

──あら、なんとなく綺麗にまとめちゃいましたね。

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最終更新:6/4(火) 11:18
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