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さらば、iTunes。肥大化した混迷の産物の“死”と、その偉大なる功績

6/4(火) 12:11配信

WIRED.jp

アップルが開発者向けカンファレンス「WWDC 2019」で6月3日(米国時間)、Macにおける「iTunesの死」を公式に発表した。基調講演に登壇したアップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるクレイグ・フェデリギによると、iTunesは次期macOSで「Music」「Podcast」「TV」の3つのアプリに分割される。

この悪名高いメディアプレーヤーは、誕生から20年近い年月のなかで混迷を極めた代物になり、実質的に数年前には葬り去られていたと言っていい。だが、ここであら探しをしても仕方ない。その終わりを前に、偉大なる功績について語っておいたほうがいいだろう。

デジタルライフスタイルの時代を象徴

2001年1月にサンフランシスコで開催された「Macworld Expo」に登壇したスティーブ・ジョブズは、消費者が利用するデヴァイスに起きる地殻変動と、それらとアップルがいかにかかわりをもっていくのかについて語った。

「いままさにPCは第3の時代に移行しようとしていると、わたしたちは考えています。その時代とは、デジタルライフスタイルの時代です。その時代は、新しいデジタルデヴァイスの爆発的な増加によって加速されていくのです」と、このときジョブズは語っている。

「わたしたちはPC、なかでもMacこそが、そのほかのデジタルデヴァイスに途方もない価値を与える力をもっており、この急成長しているデジタルライフスタイルの時代におけるデジタルハブになりうると信じています」

アップルは当時、これより約9カ月遅れで自社の携帯デジタルデヴァイス「iPod」を発表している。そしてiPodのヒットによってアップルが世界で最も価値のある企業のひとつへと躍り出ていったとき、iTunesがその舞台裏を支えていたのだ。

新しい音楽体験を先導

iTunesは決して完璧ではなかった。そして実際のところ、アップルが2000年に買収した「SoundJam MP」というソフトウェアをベースにつくられていたのだ。それでも、当時からiTunesはアップルらしさを象徴するシンプルさ、明快さ、そしてほかにはない目的を備えていた。

ただ通路を通り抜けるだけのような時間を、iTunesはどれだけ楽しいものにしてくれたのだろうか。いまとなっては思い出すのも難しいかもしれない。しかし当時も、それからしばらくの間も、音楽だけだった。当時の技術では音楽が唯一の選択肢だったのだ。ジョブズがiTunesを発表したときにも、人々がどれだけ多くのCDを“焼いて”(コピーして)いるのかを何度も力説していた。

アップルは当初こそコンテンツの販売を仲介する立場だったが、2003年4月には“小売店”になった。「iTunes4」のリリースに合わせて「iTunes Music Store」をオープンさせたのだ。

それはiTunesが、とっちらかった道を歩んでいく最初のステップであると同時に、歴史的に見ると画期的な出来事だったとも言える。iTunes Music Storeが登場する以前は、音楽をオンラインで手に入れる方法は「Napster」のようなファイル共有ソフトくらいしかなかったのだ。

2001年にNapsterが幕を閉じたとき、「Limewire」のようなP2P(ピア・ツー・ピア:端末同士によるネットワーク)のサーヴィスが注目されるようになっていた。しかし、そこにはマルウェアが大量に混在していたことが、いまも語り草になっている。

合法な選択肢といえばニッチな販売サイトか音楽レーベル専用サイトくらいのもので、どちらも決して使いやすいものではなかった。こうしたなかでiTunesは、デジタルな音楽を購入する行為をメインストリームへと押し上げたのだ。

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最終更新:7/5(金) 18:25
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