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迫りくるGAFAの足音 : 復活ソニー、成長持続へ試練

6/4(火) 15:06配信

nippon.com

伊藤 航介

2012年3月期に過去最大の4566億円の赤字を出したソニー。その後、PC事業の売却、テレビ分社化などの大胆なリストラと、ゲームやネットワークサービスへの注力で奇跡の復活を遂げた。しかし、背後にはゲーム参入を表明したグーグル、アップルの脅威が迫る。

ソニーが4月26日に発表した2019年3月期連結決算は、税引き前利益が初めて1兆円を超え、純利益も2年連続で過去最高を更新。中国経済の減速という逆風をはねのけ、完全復活を印象付けた。だが、20年3月期は一転減益を予想。復活をけん引してきたゲーム事業では、本格参入を表明したグーグル、アップルの足音が近づき、成長の持続へ早くも試練を迎える。

循環型収益に自信

「2年連続で過去最高益を更新し、高い利益水準を維持している。収益安定は(定額サービスなど継続的に収益を確保できる)リカーリングの売上高比率を高め、収益基盤の強化を図った成果だ」。十時裕樹最高財務責任者(CFO)は決算説明会で、そう胸を張った。

ソニーは2009年3月期から4年連続の連結純損失に沈み、12年3月期には過去最大となる4566億円の赤字を出した。同年に社長に就任した平井一夫氏は国内外で1万5000人を削減する構造改革に踏み切る。不振のパソコン事業を売却する一方で、アジア勢の低価格攻勢を受けたテレビ事業は「規模を追わず、違いを追う」高付加価値戦略へと転換。高画質へのこだわりが欧米市場で評価され、黒字化に成功した。

18年3月期には、本業のもうけを示す営業利益で20年ぶりに過去最高を更新するV字回復を達成。ソニー復活をけん引したのが、連結売上高の4分の1強を叩き出すほどに成長したゲーム&ネットワークサービス事業だ。

12年3月期には8000億円だった同事業の売上高は約3倍に伸び、売上高の事業別構成比では最大となった。製品の売り切りではなく、コンテンツをインターネット配信し、月額制で利益を得られる事業モデルの構築に成功。14年にスタートさせたストリーミング(逐次再生)方式のゲーム配信サービス「プレイステーション・ナウ」の会員数は年平均4割超の伸び率で増え、現在約70万人が登録する。

19年3月期も「プレイステーション4」のハードウエアの販売は減収となったものの、ゲームソフトやネットワークサービスの伸長で増収増益を達成。ゲーム&ネットワークサービスとともにリカーリング収入を支える音楽と映画を加えた3事業の売上高は、全体の5割に迫る勢いだ。

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最終更新:6/4(火) 15:06
nippon.com

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