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ネトウヨとパヨクはなぜ極端なことを言い続けるのか

6/4(火) 7:31配信

デイリー新潮

 現実の世界でも極端なことを言う人はいるものの、ネット上ではそういうタイプの人がより活発で目立つ印象を持つ方は少なくないだろう。その代表格とされるのが「ネトウヨ」「パヨク」と呼ばれる人たちだ。言うまでもなく、前者は「ネット右翼」の略称で、後者はその反対側にいる人たち、いわば「ネット左翼」を指す。ただし、自ら「私ネトウヨです」「俺はパヨクだ」などと言うことは滅多になく、蔑称や悪意のあるレッテルとしてもっぱら用いられている。

 それにしてもなぜ彼らは極端なことを言うのか。そしてネット上でやたらと元気なのはなぜなのか。その名も『ネトウヨとパヨク』という著書を刊行したばかりの物江潤さんに寄稿してもらった。

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 2018年5月頃から、私はネット上の「ネトウヨ」「パヨク」と呼ばれる人々と対話を試みていました。先日上梓した『ネトウヨとパヨク』を執筆するための、いわばネット上でのフィールドワークのつもりでした。その頃は仕事と寝る時以外は、全ての時間をネットに費やすという不毛な日々を過ごしていたわけですが、結果としてかなり精神を消耗することになりました。

 というのも、彼らとの対話においては、どれほど丁寧に説明をしたり、相手の言い分に共感を示したりしても、ほとんどの場合で罵倒を含んだ支離滅裂な反論しか返ってこなかったのです。

 バカみたいだと思われるでしょうが、こうした試みは私が彼らについて持つ仮説の検証という意味もありました。私は、ネトウヨやパヨクと呼ばれる人々に通じる共通点は「対話不能」ということではないか、と考えました。この確認作業をするにあたり、私自身が対話のできない人になってはいけないので、内心苛立ちながらも、可能な限り冷静に対話を試みる必要がありました(議論の参加者は完全に自由で平等だと仮定すれば、議論のルールを守れる人に対しネトウヨやパヨクといったレッテルを貼ることは許されないので、対話可能ならばネトウヨやパヨクではないとも言えます)。

 ネトウヨもパヨクも一種の蔑称なので、それぞれ「保守」「リベラル」を自称することが多いようです。保守思想やリベラルといった政治思想に関する古今東西の書籍をそれなりに読みこんでいたという自負もあった私は、そうした知識をベースにすれば、それなりの議論も可能ではないかと淡い期待を持っていました。

 しかし、私が書籍から得た知識を用いることはほぼありませんでした。それ以前の段階で、対話が頓挫するのです。

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最終更新:6/4(火) 7:31
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