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水虫の季節到来 自己判断の治療は禁物、感染にも注意

6/5(水) 10:12配信

NIKKEI STYLE

梅雨から夏にかけて、水虫に悩まされる人が増えてくる。日本人の2割は水虫という報告もあり、女性にも患者は多い。手軽な市販薬もあるが安易な自己治療で悪化することもある。正しい対処法を知っておこう。
水虫の原因は白癬(はくせん)菌というカビの一種。この白癬菌が足の皮膚の表面にある角質層に感染して発症する。梅雨から夏にかけて気温と湿度が上がると、白癬菌が繁殖しやすくなる。
指と指の間にできる趾間(しかん)型、水ぶくれができる小水疱(すいほう)型、角質が硬くなる角質増殖型の3タイプがある。角質増殖型は痛みやかゆみがないことが多いため気付きにくく「放っておくと白癬菌が爪に入って爪白癬になったり、家族に水虫をうつしたりしてしまうことも多い」と昭和大学病院皮膚科の北見由季准教授は注意する。
治療には白癬菌を殺すか、増殖を抑える作用のある抗真菌薬を使う。市販薬も多く出まわっているが、「水虫で一番いけないのは中途半端な自己治療」と、ひふのクリニック人形町(東京・中央)の上出良一院長は指摘する。
素人判断だと水虫と他の病気を間違えることもある。足がかゆくても水虫とは限らない。足の裏に水ぶくれができるものには、汗が皮膚の下にとどまる汗疱(かんぽう)や、免疫系の異常で発生する掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症があり水虫と治療方法が異なる。水虫用の薬を使い続ければ症状が悪化しかねない。
水虫を正確に診断するには、顕微鏡を使って白癬菌の存在を確認する必要がある。上出院長は「薬指と小指の間に症状が出ている場合は、水虫の可能性がかなり高い」という。判断がつかない場合は医療機関にかかる方がいい。
市販薬を使う際は注意が必要だ。かゆみ止めなど様々な成分が含まれており、かぶれを起こすこともある。薬剤師と相談するのが理想だ。
市販薬のなかではクリームか軟こうが無難だ。「液体やスプレーは刺激により皮膚炎を起こすことがあるので、皮がむけてジュクジュクしている所に使ってはいけない」(北見准教授)。クリームや軟こうであっても薬が合わないこともあるので、「3日間使ってみて効果が感じられなければ皮膚科を受診して」と上出院長は話す。
薬はひんぱんに塗るほど効くわけではない。医師が処方した薬はほとんど1日1回でよい。用法・用量をしっかり守ろう。また、白癬菌を根絶するには、症状がある部分だけでなく指の間から足の裏全体に薄く塗ることが大切だ。夜の入浴後に使いがちだが、「白癬菌は靴を履いている昼間に増殖するので、朝、靴下をはく前に塗るのが合理的」と上出院長は助言する。
梅雨になると毎年水虫になる人は、治りきらないうちに治療をやめて白癬菌が生き残っている可能性が高い。症状がおさまっても薬は2カ月ほど塗り続けてほしい。
スポーツクラブやゴルフ場、温泉など、不特定多数の人が素足で歩く場所に行くと水虫をうつされるリスクが高くなる。足に白癬菌がついても感染するまでに12時間以上かかるので慌てる必要はないが、家に帰ったら必ず足を洗おう。北見准教授によると「乾いたタオルで足の裏を拭くだけでも効果がある」という。
家族に水虫の人がいればバスマットの洗濯や床掃除をまめに行うこと。スリッパも共用しない。除菌しようと軽石でゴシゴシこするのは逆効果。角質に傷がつくことで白癬菌が繁殖しやすくなる。
湿気があると白癬菌は増殖しやすい。入浴後すぐに靴下をはいたり、同じ靴を毎日履き続けたりするのはよくない。サイズがきつく指が圧迫される靴も湿気やすく水虫になりやすいので注意しよう。
(ライター 伊藤和弘)
[NIKKEIプラス1 2019年5月25日付]

最終更新:6/5(水) 12:15
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