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【月刊『WiLL』(7月号)より】「米台国交」前夜 李登輝= 映画 『哲人王』のタイミング

6/5(水) 14:06配信

WiLL

米台の急激な関係改善

 今年3月末、米国議会において「台湾安全保障法」が共和党マルコ・ルビオや民主党キャサリン・コルテスらの超党派議員によって提出され、5月7日、議会で反対ゼロで可決した。4月10日、台湾との関係を規定した「台湾関係法」40周年を迎え、米台関係を大幅に強化する法案だ。
 昨年3月16日、トランプ大統領が署名し成立した「台湾旅行法」により閣僚級の安全保障関連の高官や将官、行政機関職員など全ての地位の米政府当局者が台湾に渡航し、台湾側の同等の役職の者と会談することや、台湾高官が米国に入国し、国防総省や国務省を含む当局者と会談することが認められた。この法律をさらにアジア・太平洋の安全保障にまで深めようというのが上記法案の趣旨だ。
 この法案は、

・台湾を米国の軍事演習に正式に参加させる
・米台政府高官同士の交流が実現できているか議会が大統領に対してチェックする権限を与える

 という2点が大きく打ち出されている。本法案が成立すると、事実上国交を結んでいるのと同じこととなる。米国は現在、中国との関係を明確に見直し、米国大統領が代わったとしても米台関係を国交レベルにまで引き上げることを望んでいるのだ。
 その一番大きな理由は、アジア太平洋の安全保障の大切なパートナーとして台湾を米国の政治家たちが明確に理解したことにある。
 事実、台湾関係法40周年記念の前日、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統はワシントンの「戦略国際問題研究所」(CSIS)、「ブルッキングス研究所」、「ウィルソン・センター」の三つのシンクタンクの招請を受け、総統府とCSICをつなぐビデオ会議に参加、米台関係の重要性を強く訴え多くの米国政治家の支持を得た。
 しかし、この米台関係を強くするにあたり、決して忘れてはならない人物がいる。台湾を独裁国家から民主主義国家に無血革命した李登輝元総統だ。台湾がもしまだ中国のような一党独裁国家であったら、この流れは決して起きていない。米国と価値観を共有できる自由で民主的な国家であるからこそ、マルコ・ルビオ氏やトランプ大統領も安全保障上のアジア・パートナーとして関係改善に動いているのだ。
 今年の6月21日に台湾民主化の父、李登輝氏のドキュメンタリー映画『哲人王』が東京で限定公開される(それから徐々に公開場所を拡大)。今なぜ李登輝氏なのか。

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映画『哲人王』公式サイト
https://www.tetsujino.com
・6/21~27 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷(テアトル東京系)
・6/28~7/4 大阪・シネ・リーブル梅田(テアトル東京系)
・9/7~13 沖縄那覇・桜坂劇場

藤井実彦(論破プロジェクト実行委員長)

最終更新:6/5(水) 14:07
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