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カッパや座敷わらしの伝説が息づく民話の里:岩手・遠野を旅する

6/5(水) 16:04配信

nippon.com

民俗学者・柳田國男の『遠野物語(とおのものがたり)』で知られる岩手県遠野市は、カッパや座敷わらしなどにまつわる言い伝えが多く残る「民話の里」。のどかな里山を訪ね、現実と非現実が交錯する神秘的な世界を体験しよう。

岩手県中部の遠野市は、北上高地最大の盆地にある自然豊かな町。険しい山々に囲まれた隔絶された環境によって、古くからの生活習慣や民族的信仰が守られてきた。そのため、「日本のふるさと」「日本の原風景」と呼ばれることもある。地元で受け継がれてきた昔話や言い伝えは数多く、それを集めた柳田國男の『遠野物語』(1910年刊)は日本民俗学の礎を築いた。その中に登場するカッパや座敷わらしなどは、小説や漫画、アニメで描かれる日本の妖怪たちの原型といわれ、今も遠野は、昔話の世界に触れることができる「民話の里」として人気の観光地となっている。

「とおの物語の館」で民話の世界を体験

旅のスタートは、「とおの物語の館」で民話の世界への想像力をふくらませてはいかがだろう。JR遠野駅から歩いて5分ほどの場所にある、昔話を感覚的に楽しめる施設だ。造り酒屋の蔵を改築した「昔話蔵」では、座敷わらしや雪女など、遠野地方に古くから伝わる逸話を切り絵やイラスト、映像で紹介している。

館内では、バサバサという羽音とともにてんぐの影が目の前を横切ったり、背後から子どもの笑い声が聞こえたり、さまざまな仕掛けに驚かされる。この笑い声は、家に住みついて真夜中にいたずらをする子どもの妖怪・座敷わらしがモチーフ。大人は見ることができない存在だが、気配のする家には幸福が訪れ、逆にいなくなると没落するとされる。家に住んでほしい妖怪という、なんとも不思議な愛されるキャラクターなのだ。

別の蔵は、語り部が昔話を聞かせてくれる劇場空間「遠野座」になっている。方言による語りは独特の調子と豊かな表情があり、時に温かく時に恐ろしく、物語の世界へとぐんぐん引き込まれていく。遠野座では7~8月の土曜日、午後8時から「夜神楽」公演を開催。市内各地に伝わる神楽舞が無料で鑑賞できる。

敷地内には「柳田國男展示館」もある。『遠野物語』執筆時に滞在した高善旅館と晩年を過ごした東京都世田谷区の屋敷が移築され、建物内では生前の愛用品や趣ある書斎などを公開。映像シアターでは、「民俗学の父」といわれる柳田の生涯と功績を動画で分かりやすく紹介している。

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最終更新:6/5(水) 16:04
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