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トリニダード・トバゴの久保建英!? 18歳の天才は無所属、将来は「バルサでプレーしたい」

6/5(水) 15:02配信

フットボールチャンネル

 日本代表は5日、国際親善試合でトリニダード・トバゴ代表と対戦する。CONCACAFゴールドカップを約2週間後に控えるカリブ海の屈強な男たちの中に、1人だけ細身の青年がいた。チーム最年少18歳のジュダ・ガルシアは、トリニダード・トバゴのサッカー界の将来を背負って立つ逸材だ。(取材・文:舩木渉)

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●無所属の18歳がトリニダード・トバゴ代表に

 日本代表と5日に対戦するトリニダード・トバゴ代表メンバーの中に、1人だけ「無所属」となっている選手がいる。しかも18歳で。だが、単に「無所属=無職」という意味ではなかった。

 名前はジュダ・ガルシア。2000年10月24日生まれの18歳で、両利きの攻撃的MFだ。本人は「僕は攻撃的MFだけど、守備的な役割もこなせる。左サイドでも右サイドでも、ストライカーもできるよ」と語る。

 その通り、これまでに確認できるプレー映像ではセントラルMFとして左右両足で精度の高いパスを蹴り分け、機を見てゴール前まで駆け上がって強烈なミドルシュートも放っていた。ボールの持ち方は左利きの選手に近い。

 経歴は謎な部分も多いが、実は兄弟がトリニダード・トバゴ代表内にいる。オランダ1部AZで2シーズン半活躍し、同1部エクセルシオールなどを経て、来季からイスラエルのベイタル・エルサレムでプレーする1997年生まれのレビ・ガルシア(ジュダは3歳上の兄のことを「リーヴァイ」と呼んでいた)がその1人。

 今回のメンバーには含まれていないが、1993年生まれのナサニエルも現役の代表選手で、こちらは代表歴こそないが、1987年生まれの長兄ダニエルもいる。カルラとアダーナという2人の姉妹も加え、6人きょうだいの一番下がジュダだ。

 昨年4月にはパナマとの国際親善試合で、ジュダは17歳にしてA代表デビューを果たす。その試合では兄ナサニエルと同じピッチに立った。この2人は国内トップリーグのポイント・フォーティン・シビックFCでもチームメイトだった。

●この夏に欧州へステップアップも?

 ジュダはシバ・ボーイズ・ヒンドゥ・カレッジの10番キャプテンとして、セカンダリー・スクール・リーグ(日本の中学から高校1年くらいまでの年齢の子供たちが通う学校のリーグ)でのプレーを経て、2016年から2018年までポイント・フォーティン・シビックFCに在籍していたという。過去の現地メディアの記事などを読むと、2つのチームで並行してプレーしていた形跡もある。

 だが、今は無所属。それは「ヨーロッパのトップクラブでプレーする」という夢を叶えるためだ。「バルセロナでプレーするのが夢」だというジュダは、今夏以降の所属先について「まだメディアに明かすことはできない」と話していた。

 そして「もうすぐどうなるかわかる。もちろんグッドニュースだよ」とも。「兄のリーヴァイのようになりたい」とも言い、18歳で大陸間移籍も可能なため、兄と同じヨーロッパに新天地を求めるかもしれない。おそらくそういったステップアップのために所属クラブがない状態になっているのだろう。

 ジュダは過去にカリブ海地域の有望な選手を集めたプログラムで、イングランドに渡ってマンチェスター・シティの施設でのキャンプにも参加したことがあり、才能への評価は高い。U-20代表ではすでに主力で、A代表デビュー済だ。

 そしてバルサでのプレーを目指し、「リオネル・メッシが憧れ」だと語る。そんなジュダは、どこか日本の久保建英とも重なる。実際、彼は「久保のことは聞いている」と同世代のスター候補の存在をしっかり認識しているようだ。

 17歳でA代表デビューを飾った際を振り返り、ジュダは「本当に嬉しかったし、僕にとっては信じられないほど素晴らしい達成感があった」と語る。物静かな青年だが、「ゴールドカップ出場は僕の夢でもある。次の夢は2022年のワールドカップ出場。その時に代表に選ばれることが僕の夢だ」と野心家だ。

●指揮官は若手起用に積極的。日本戦で出番は?

 日本戦で出番は訪れるだろうか。今回のトリニダード・トバゴ代表メンバーは19人のみで、約2週間後に控えたCONCACAFゴールドカップ出場予定メンバーが来日している。ジュダも大陸選手権の登録選手に含まれており、豊田スタジアムでA代表2キャップ目を踏む可能性も十分にある。ポゼッション志向の4-1-4-1がメインシステムの現体制では、2列目の「4」の一角のインサイドハーフがジュダにとって最適なポジション。ウィンガーの兄リーヴァイとの共演も叶うか。

 デニス・ローレンス監督は「ジュダは大変有能な選手だ。今後大事に育成していかなければいけない」と述べ、「我々のチームは再構築の最中になる。ゴールドカップの後、ネーションズリーグもあるし、そういった経験を積むことが若いジュダのような選手にとって大変有益なこと。また今回の日本のようなクオリティの高いチームと試合をすることによって彼が得られるものは、とてつもないと思っている。トップチームとやる環境をぜひ経験してほしい」と若手の起用に積極的だ。

 ジュダの体は非常に細身で、取材中に後ろを通り過ぎていった筋骨隆々の大柄な選手たちに比べれば心もとない。それでもフィジカル自慢の先輩たちの中に入って十分に力を発揮できていると評価されているのだから実力は確かだろう。「トップチーム」の日本との試合で、「もし出場できたら自分の攻撃能力やスキルを見せたい。そしてスコアシートに自分の名前を載せたいね」と語る18歳の大抜てきがあるかもしれない。

 無所属だが、才能はピカイチ。ヨーロッパでの飛躍を目指すジュダ・ガルシアは、トリニダード・トバゴ代表の未来を背負って立つ存在。近い将来、様々な幸運が重なれば久保とバルサで共演しているかもしれない。まずは5日の日本代表戦でのプレーに注目だ。

(取材・文:舩木渉)

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最終更新:6/5(水) 15:02
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