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アマゾンがついに「自前物流」構築の衝撃

6/6(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 アマゾンのデリバリープロバイダの1つである丸和運輸機関の和佐見勝社長は、「配送の品質が悪ければ、(荷主から)契約を打ち切られることは当然ある」と話す。

 「アマゾンとの契約期間は基本1年間。ファイズは軽貨物車を用いた宅配業務に進出してからまだ日が浅く、アマゾンは顧客からのクレームが多いことに業を煮やしたのではないか」と指摘する運送会社の幹部もいる。アマゾンとファイズとのデリバリー契約が終了した時期は2018年末と見られている。

■昨年11月から始まったアマゾンフレックス

 時を同じくしてアマゾンが始めたのが、「アマゾンフレックス」という新サービスだ。アマゾンが個人事業主のドライバーと直接業務委託して配送する。2018年11月から東京都と神奈川県でサービスを展開し、現在は愛知県での募集を始めている。

 アメリカでは2015年から始まり、日本を含め現在6カ国で展開している。アマゾンフレックスは軽バンなどの軽貨物車を保有している個人事業主を束ねるプラットフォームであり、不特定多数の人を募るクラウドソーシングという点では、配車アプリの「ウーバー」などと仕組みは近い。日本では始まっていないが、アメリカでは徒歩で配達することもできる。

 アマゾンがドライバーに支払う報酬条件は、1注文2時間程度で税込み4000円。ドライバーにとっては、1日5注文10時間程度で月22日働けば、月44万円稼げる計算になる。

 アマゾンフレックスは手持ちのアプリでスケジュールに合った時間を選択し、配達ステーションで荷物をピックアップ。アプリでルートを確認しながら配達できるという手軽さがセールスポイントだ。他社と比べて報酬は高くないが、届け先が不在時の場合、ドライバーが再配達する必要がないメリットがあるという。

■自社物流の道を歩み始めるアマゾン

 ファイズとの契約打ち切りは、「アマゾンがいよいよ、ヤマトでもデリバリープロバイダでもない、“自社物流”の道を歩み始めた」と物流業界では受け止められている。あるデリバリープロバイダの幹部は「(アマゾンの本社がある)アメリカ・シアトルの人たちは、基本的にすべて自前で配送を管理したいのだろう」と警戒感を示す。

 アマゾンは昨年、本社でドライバーが配送ビジネスを立ち上げる支援プログラムを始めている。日本でも「物流の自前化」が今後さらに進んでいく可能性が高い。

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最終更新:6/6(木) 7:57
東洋経済オンライン

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