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大卒会社員の生涯賃金は25年で3600万円減、いかにして生活防衛すべきか

6/7(金) 16:00配信

マネーポストWEB

 しかし、これから定年や65歳の年金受給を迎える世代は事情が違う。

 バブル崩壊後の「失われた20年」と呼ばれる景気停滞の中でサラリーマン生活を送り、「給料カット」「社会保険料負担増(手取り減収)」そして「退職金の大幅ダウン」という“3重苦”で生涯賃金が下がっているからだ。

 報告書にある統計資料からもそれがわかる。

 サラリーマンの月給(大卒45~55歳)はピークだった1994年から10万円ダウン。同様に55~65歳の月給も減っているから20年分で計算するとざっと2400万円の減額だ。さらに給料から天引きされる社会保険料の負担率は9.6%(1994年)から14.92%に引き上げられ、手取りはもっと減っている。

 退職金もピークだった1997年の大卒平均3203万円から1997万円へと、なんと1200万円も下がった。団塊世代が定年退職した2007年(2491万円)と比べても500万円ダウンだ。

 給料と退職金を合わせると大卒サラリーマンの生涯賃金はざっと3600万円ほど減った計算になる。いくら「資産寿命を延ばせ」と言われても、そもそもこれでは現役時代に老後の十分な蓄えができるはずがない。ならば、どう生活防衛すればいいのか。

 金融庁の言いなりに高齢者が「自助努力」で定年後も長く働き、生活をギリギリまで切り詰め、そうして蓄えた虎の子の貯金を株などの投資に回せば金融機関は喜ぶだろう。だが、それは“最後の手段”だ。

「資産寿命」を延ばす方法は他にある。

 第一は、公的制度を利用して収入を増やす方法だ。

 国や自治体の制度には、定年後も働く人に支給される「高年齢雇用継続給付金」など多くの種類の「手続きすればもらえる給付金」がある。金融庁の報告書案には触れられていないが、こうした“タダで国からお金をもらえる制度”をフルに活用すれば70歳までに数百万円得することも可能だ。

 第二は、支出の見直しだ。これは「我慢する=節約」という意味ではない。高齢者の家計には、税金・社会保険から生命保険、医療費、住宅費など“必要以上に払っているカネ”が多い。働き方や年金のもらい方を工夫し、無駄な出費を減らすことで生活水準を下げることなく老後の支出を抑えることは十分可能だ。

「入り」を増やして「出」を減らせば「資産寿命」は延びる。30年間の不足額2000万円をカバーすることも不可能ではないのだ。

※週刊ポスト2019年6月14日号

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最終更新:6/7(金) 16:00
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