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「痛い」からこそ、教育としての意義がある? 復活の兆しをみせる「巨大組み体操」〈dot.〉

6/13(木) 8:00配信

AERA dot.

 2015年、大阪・八尾市の中学校で起きた崩落事故により社会問題となった「巨大組み体操」。事故を機に見直しが進み、実施校数は激減した。しかし近年、学校現場では再び段数を上げる傾向にあるという。教育社会学者・内田良氏が著書『学校ハラスメント』(朝日新書)でも指摘した、復活の兆しをみせる「巨大組み体操」。なぜ学校はやめられないのか、内田氏が考察する。

*  *  *
■巨大組み体操ブームは過ぎ去ったはず…

 今春の運動会シーズンは、巨大組み体操の話題をたびたび耳にした。
全国的には、巨大組み体操はすでに過去のものになりつつあっただけに、「まだやっているの?」と感じた人も多いことだろう。

 2016年3月のこと、組み体操における負傷事故の多発を受けて、スポーツ庁は「組体操等による事故の防止について」という通知を発出した。これにより全国一斉に、組み体操指導の見直しが進んだ。

 日本スポーツ振興センター刊『学校の管理下の災害』の各年版を見てみると、組み体操による事故の件数は、集計が公表されるようになった2011年度から2015年度までは8千件規模であった。それが、通知が出された後の2016年度に約5千件、2017年度には約4千件にまで減少した【図1】。一時の全国的な巨大化ブームは過ぎ去ったと見ることができる。

■段数の下げ止まり

 ところが、いまでも特定の地域や学校で、巨大組み体操がひっそりと継続されている。

 組み体操による負傷事故が全国でもっとも多く発生している兵庫県では、2015年度より教育委員会が県内の公立小中学校に対して、組み体操の実施・事故状況について詳しい調査を実施している。

 調査結果の資料をもとに、2015~2018年度の変化をまとめてみよう。
規制の代表例として多くみられる「ピラミッドは5段まで」「タワーは3段まで」を基準にして、「ピラミッドは6段以上」「タワーは4段以上」を巨大組み体操とみなし、その実施校数の推移を図示した【図2、図3】。

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最終更新:6/13(木) 8:00
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