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東京の私鉄、駅名の特徴は「山あり谷なし」

6/7(金) 6:10配信

東洋経済オンライン

 東京周辺の地形と駅名の関連性を見ていくと、いくつもの興味深い点に気づく。

 地形的に高い所を示す語が含まれている駅名は、○○山駅、○○が丘駅、○○台駅などが代表例である。一方低い所を示すものには、○○谷駅、○○窪(久保)駅などが挙げられる。

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2019年3月19日付記事「自由が丘駅が『丘』でなく『谷』にある駅名の謎」では、高い所を示す駅名が本当にそうした所にあるのか検証してみた。すると予想外の事実が現れてきた。今回は東京で、低い所を示す駅名を見ていきたい。

■都内の「〇〇山駅」は私鉄だけ

 まず前回の話をまとめると以下のようになる。

1)「○○が丘駅」というのは、丘の上というより、むしろ低い場所にある場合が多い。
2)低い所に駅があるのに「○○が丘駅」という命名は、東急の自由が丘駅が最初(昭和4年改称時は「自由ヶ丘」)である。こうした命名は東急(の前身会社)の発明といっていい。この点では、沿線開発で手本にした阪急(の前身会社)のまねではない
3)都内に数多くある○○山、○○が丘、○○台という名の駅は、私鉄だけにしかなく、都内JR駅には1つもない

 以上のことから、今回考察する「○○谷駅」など低い所を表す駅名にも一定の傾向がありそうな気がしてくる。

 「丘」は日当たりのいい高台の住宅地をイメージしやすいが、「谷」はそうではない。旧国鉄(現JR)や地下鉄(東京メトロ、都営)と異なり、不動産事業として沿線開発を行ってきた私鉄の駅では、○○谷という駅名は少なさそうだが、実際のところどうだろうか。

 都内の「谷」が付くJR線の駅を列挙してみる(カッコ内は開業年)。

山手線…渋谷(明治18年)、鶯谷(明治45年)
中央線…市ケ谷(明治28年)、四ツ谷(明治27年)、千駄ケ谷(明治37年)、阿佐ケ谷(大正11年)
 これらのうち、自然にできた谷の中にあり正真正銘の谷駅といえるのは渋谷駅だけである。

 江戸時代に造成された外濠(真田濠)の中にあるのが四ツ谷駅、谷に立地しないが近くに谷があるのが鶯谷駅、市ケ谷駅(外濠)、千駄ケ谷駅(旧渋谷川)、阿佐ケ谷駅(旧桃園川)である。なお開業時は、日本鉄道(山手線)、甲武鉄道(中央線)という私鉄だった。

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最終更新:6/7(金) 7:48
東洋経済オンライン

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