ここから本文です

日本の消費税の議論はなぜ「こんなに的外れ」か

6/7(金) 5:10配信

東洋経済オンライン

理由その1:給料以上に税率が引き上げられた
 過去の消費税増税が経済に悪影響を与えた最大の理由は、給料が増えないからです。

 3%の消費税が導入された1989年4月、統計局の調査によると日本人の給与は平均して4.3%増加していました。もちろん消費税導入への抵抗はあったでしょうが、給料がそれ以上に上がっているので、内需がマイナスになることはありませんでした。

 一方、消費税が2%引き上げられ、5%になった1997年は、給料は平均1%程度しか伸びていませんでした。当然、引き上げには強い抵抗がありましたし、実際の負担も重かったのです。

 日本で前回消費税が引き上げられたのは、2014年4月です。5%だった消費税率が3%引き上げられ、8%になったのは、皆さんもご存じのとおりです。

 このときは、第二次安倍晋三政権で実施されたアベノミクスが奏功し、過度な円高が是正され、株価も順調に上昇し、企業の業績も好調でしたが、給料の伸びが1%台でしたので、過去もっとも重い負担となっていました。

 海外では、消費税の負担は次第に重くされてきましたが、それ以上に給料水準が増えています。対照的に、日本では、長年にわたって給料は低空飛行のままで、給料以上に消費税が引き上げられたため、多くの日本人にとって消費税が重い負担となってしまったのです。

理由その2:生産性に比べて給料が安い
 日本人の消費税負担が、欧州諸国に比べるとかなり少ないのは事実です。しかし、それは消費税率が低いからだけではありません。日本人の消費税負担が少ないのは、給料が異常に安いからです。

 とくに、低所得者の負担がどの程度なのかは、最低賃金を比較するとわかりやすいです。

 日本人の生産性は、例えばイギリス人とそれほど大きくは変わりません。しかし、最低賃金を購買力調整して比較すると、日本の最低賃金はイギリスの約7割程度なのがわかります。これがいかにおかしいかは、子どもでもわかるでしょう。

3/8ページ

最終更新:6/7(金) 10:43
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事