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「契約金泥棒」の斉藤和巳がエースになれた理由

6/8(土) 16:00配信

東洋経済オンライン

 プロ野球は、毎年100人がクビになり、入れ替わりにルーキーが100人入ってくるシビアな世界だ。大学、社会人の選手なら即戦力になること、高校生ならば将来のチームを背負うことが期待される。

 ドラフト会議で1位指名される選手は当然、厳しい目で選別される。プロのスカウトも、チーム編成の責任者も野球の目利きだ。しかし、必ずしも彼らの見立てが正しいとは限らない。鳴り物入りで入団しながらも、数年でユニフォームを脱ぐ選手は数え切れないほどいる。

 有望選手がドラフト1位指名されながら期待を裏切り、あっけなく消えてしまうのはなぜなのか?  そこにはいくつかのパターンがある。

自らの才能を過信し、努力を怠る。
故障に見舞われ、本来のパフォーマンスができなくなる。
ライバルとの戦いに敗れてチャンスを失う。
練習態度や素行が悪くて、首脳陣に信用されなくなる。
 それぞれの複合型もある。

 野球の目利きであっても、ドラフト指名の段階で、1位選手の「未来」まではわからない。

 1995年ドラフト会議で福岡ダイエーホークス(現・ソフトバンク)に1位指名された斉藤和巳は、高校時代には無名だった。甲子園出場経験はなし。

 3年夏の京都大会準々決勝で5回コールド負けを喫している。にもかかわらず、ホークスがドラフト1位指名を敢行したのは、彼の才能を評価したからだ。身長は190センチ近くあり、ストレートの最速は143キロ。「鍛えれば伸びる素材」と見込んだから、球団は1億円もの契約金を用意したのだ。

少年野球からプロを引退するまで、斉藤和巳の野球人生を追った『野球を裏切らない――負けないエース 斉藤和巳』をもとに、沢村賞投手になれた理由を考える。

■肩の手術・リハビリで人生を変える師と出会う

 斉藤和巳という投手のキャリアを振り返ったとき、前述した「ドラフト1位が消える理由」に当てはまる可能性があった。それも限りなく、高かった。

 プロ1年目は肩の故障のために、満足に投げられなかった(二軍でも登板なし)。それなのに、「本気を出せば自分はすごい」という根拠のない自信を持っていた。

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最終更新:6/8(土) 16:00
東洋経済オンライン

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