ここから本文です

南野拓実はいま、日本代表でどのような序列なのか? 苦境が続く中で求められるプレーの変化

6/9(日) 10:25配信

フットボールチャンネル

日本代表は9日、キリンチャレンジカップ2019でエルサルバドル代表と対戦する。5日のトリニダード・トバゴ戦からは大幅にメンバーが変わる見込みで、その中で注目なのが南野拓実。3-4-2-1システム採用に伴ってスタメン落ちを味わった背番号9は、この試合で真価を発揮できるのだろうか。(取材・文:元川悦子)

【動画】日本、未来の布陣はこれだ! 4年後の日本代表イレブンを予想

●3試合で1得点。低調な攻撃陣

 9日のキリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦は、9月から始まる2022年カタールワールドカップアジア2次予選開始前最後の国際Aマッチ。日本代表は1~2月のアジアカップで準優勝に終わった後、3月のコロンビア戦を0-1、ボリビア戦を1-0、6月5日のトリニダード・トバゴ戦を0-0とやや停滞感が否めない。

 とりわけ、攻撃陣は3試合1ゴールと決定力不足が続いている。今回こそは確実に得点を奪って勝利することが強く求められている。

 森保一監督は前回の試合に続いて3バックを継続し、スタメンを大幅に入れ替えることを明言。さらに、左足付け根に違和感を訴えて7日以降の練習を回避していた香川真司の欠場も明らかにした。

 となると、攻撃陣の陣容は1トップ・永井謙佑、2シャドーに伊東純也と南野拓実という3枚でスタートすることになるだろう。そして時間帯や状況によって1トップに岡崎慎司が入り、伊東は右ウイングバックへ移動。2シャドーの一角には18歳の久保建英が陣取ると見られる。

 指揮官も「久保は次の試合に出る可能性はある」とハッキリ語っていただけに、そこは大きな注目点と言っていい。

●悔しさが残る今シーズンの南野拓実

 こうした中、アタッカー陣の軸を担うのはやはり背番号9をつける男だ。森保ジャパン発足時から堂安律、中島翔哉らとともに新たな2列目トリオを結成し、2018年9~10月の森保ジャパン発足3戦で4発というゴールラッシュを見せていた南野だが、その後は徐々に勢いが低下。アジアカップも決勝・カタール戦の1得点にとどまった。同大会では再三の決定機を迎えながら、肝心なところで決めきれず、メンタル的にやや弱気になる一面も垣間見せた。

 その後、戻った所属のザルツブルクでもリーグ戦2ゴールのみ。UEFAヨーロッパリーグの方も3月7日の重要なナポリ戦で先発から外される苦境を味わった。

「俺はスタメンで出れる資格があると思うし、それだけのものは残してきている」と本人も不完全燃焼感を吐露。最終的にチームは今季オーストリア1部優勝を果たしたものの、どこか悔しさが残るシーズンだったのではないか。

 そこに追い打ちをかけるように、今回の森保監督が「代名詞」とも言われる3-4-2-1の新布陣を導入。2列目のポジションが1枚減った。その一発目だったトリニダード・トバゴ戦で、南野は先発から押し出された。つまり、現時点での序列は堂安、中島より下ということ。

 19歳だった2014年春にアルベルト・ザッケローニ監督から日本代表候補に招集され、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の2015年10月にはいち早く初キャップを飾った人間としては、このまま競争に負けるわけにはいかない。

●「自分からアクションを起こしてプレーするタイプ」

「でも僕はそれ(競争)は大歓迎。それが当たり前ですし、その中で勝ち残った選手しか試合に出れないっていうのは代表だけじゃなくて自分のチームでもそう。だからこそ、試合でチャンスをもらったらしっかり結果を残していければいいかなと思います」

 8日の練習後にもそう語気を強めたが、自分が何をすべきかは賢い南野なら誰よりもよく分かっているはず。チームを勝利へと導く得点かアシストという目に見える結果を残すこと。それが最も分かりやすいのだ。

 1トップに入るであろう快足FWの永井は、タメを作ることに長けた大迫とは全く異なるタイプ。その特長をしっかりと理解しながら動くことが重要だ。加えて言うと、スピードスターの伊東も裏にタテへの推進力を武器とする選手。速い2人が前線に陣取った場合、南野は緩急をつけながらお膳立てに回ったり、スペースを作るような機転の利いた働きが大事になってくる。

 香川と組んでいたらそういう役割は彼が担っていただろうから、南野はよりゴールに突き進めたが、コンビを組む仲間のタイプが変われば、自分自身のプレーも変化が求められる。そのあたりはもちろん心得ているはずだ。

「1トップが永井君やったら裏のスペースを意識したりとか、プレーを変えていく必要はあると思います。2シャドーにしても、お互いのスペースを大事にしながら、味方にボールが入った時にサポートできる位置に顔を出すこと。それを連続できるかが重要になってきます。味方が空けたスペースに入って行くことも必要。僕は自分からアクションを起こしてプレーするタイプなので、積極的に動き直して存在感を出していければいい」と彼は自分のやるべきことを整理してピッチに立つつもりだ。

●久保建英は「質の高さを感じる」

 自らが攻撃陣をリードしていくことは、1トップに岡崎が入っても、2シャドーの一角に久保が陣取っても同じ。特に久保とは初共演になるため、代表経験で秀でる南野に託される役割は大きくなりそうだ。

「久保君とは練習で一緒にやる時間が少なかったけど、ボールを扱う技術や前を向いたプレーのうまさはすごくある。練習後のシュート練習では特に質の高さを感じます。両足でシュートを打てるし、高いレベルでゴールを決めてる印象があるんで」

 背番号9は6歳年下の若きアタッカーをこう評したが、今後は久保とともに日本攻撃陣を形成し、アジア予選を突破し、世界に打って出ることになる。その一歩として、エルサルバドル戦では何らかの布石を打ってほしい。南野と久保のホットラインからゴールが生まれれば最高のシナリオだろう。

 日本代表に新たな風を吹かせてカタールワールドカップアジア予選に弾みをつけると同時に、中島や堂安より序列を上げてレギュラーを奪回すること。それが今回の南野拓実に求められる重要命題だ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

フットボールチャンネル

最終更新:6/9(日) 11:01
フットボールチャンネル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事