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相続税の税務調査…「対象者に選ばれやすい」7つのケース

6/9(日) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続税の税務調査には、いくつかの「選ばれやすいケース」が存在しています。これらの「税務調査に選ばれやすいケース」を押さえ、相続税の税務調査に対して適切に対処できるよう準備しておきましょう。相続税やその税務調査の実態に詳しい、税理士の服部誠が解説します。

1:名義預金と贈与

「名義預金」は、相続税の税務調査と密接に関連しています。

名義預金とは、家族などの相続人の名義になっているものの、実質的には被相続人の財産に含まれる預貯金のことです。税務署は、相続税の申告書が提出されると、税務調査の第一歩として、まずこの名義預金の存否を調べます。

具体的には、申告書に記載されている金融機関や、申告書に記載されていない自宅や自宅の最寄り駅界隈の金融機関に対して、被相続人や相続人などすべての関係者の口座の有無を照会し、口座が存在する場合にはそれぞれの残高を確認します。この照会は、通常、郵送による依頼というかたちをとっています。

家族名義の預貯金の中で、もっとも問題視されるのが配偶者名義のものです。配偶者の収入がないか、もしくは収入があってもパートなどで少ない場合、その預金残高が不自然に多くなっていると税務調査の対象になる確率が高くなります。同様に、他の相続人の預貯金についても、年齢や収入に対して不相応に残高が多くないか調べられます。

そのときに注意したいのは、“贈与された預貯金”です。贈与税の申告をし、贈与税を払っていたとしても、その預金通帳や印鑑を被相続人が管理していれば、それは一種の名義預金と判断され、相続財産になってしまうことがあります。実地調査では、この点を確認するためにも、通帳や印鑑がどのように管理されていたかを重要視するのです。

一方で、明らかに名義預金であると家族が納得し、最初から相続財産に含めて申告したため、税務調査の対象とならなかったと推測されるケースもあります。

ある相続では、相続財産が10億円程度として相続税の申告をしました。通常、この規模の遺産額であれば、税務調査となる可能性が非常に高くなります。しかし、名義預金と思われる預貯金をすべて被相続人の財産として申告したところ、税務調査はありませんでした。税務署でも、あらゆる照会・事前調査をした結果、実地調査の必要はないと判断したものと考えられます。

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最終更新:6/9(日) 11:00
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