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高島屋 村田善郎社長が語る「構造改革の目的」

6/10(月) 5:00配信

商業界オンライン

衣料品はブランド重視から自主編集売場へとシフトする

――今期の重点政策は。

 村田:百貨店の構造改革を一段と進めることです。グループでは不動産業の東神開発と金融業の髙島屋クレジットの成長力を高めていきます。

 それと海外の不採算店舗を早く収益化することです。シンガポール髙島屋は前期で純利益33億円出ているので、そのキャッシュを使って周辺国の販促を強化します。

――国内百貨店のリニューアルは。

 村田:横浜店では西口の相鉄から借りている地下フロアを増床して、21年春には約5000㎡と国内百貨店としては最大規模の食料品売場に拡張します。第1弾は冬にオープンします。

 玉川店も11月に玉川髙島屋S・Cが開業50周年を迎えるので、秋に食料品売場をリニューアルします。ショッピングセンター(SC)部分にある食品スーパーなどと一体となって、面白い空間をつくり出します。

 大阪店では東別館を再開発します。髙島屋史料館とフードホール、それとシンガポールのキャピタランド社と提携して「シタディーン」という滞在型ホテルを導入します。これに事務別棟を加えて、4つの機能を備えます。

――百貨店は郊外・地方店の閉店が目立っている。髙島屋は14年の和歌山店以来閉店はないが、今後は。

 村田:将来的にどうしても赤字が解消できないのであれば、あり得ますが、まだまだやりようはあると考えています。大型テナントなど新しい機能を館に導入する取り組みも検討中です。

――衣料品が大不振に陥っている。

 村田:最近は衣料品に限らず、リニューアルをしても効果が上がらない。効率重視だからです。だけどお客さまが楽しいと思える空間は、効率だけではない。婦人服が不振だから効率のいいブランドに入れ替えるのではなく、むしろ婦人服を減らしてでもそこにより楽しいもの、魅力あるものを導入し、あるいは百貨店ならではの文化催し、物産展などの食料品催しなどを組み合わせることで集客力を高めるべきです。

 婦人服はブランドでは売れにくくなっているので、ブランド重視から自主編集売場へとシフトさせていくことも必要です。例えば今年3月に日本橋店3階に新設した「ドレスアップクローゼット」もそうですし、こなれたカジュアルを組み合わせていく「デニムスタイルラボ」なども展開しています。

 婦人服と新宿店で展開しているスポーツや健康志向という切り口で編集するなどクロスMDの視点も必要です。

――自主編集売場の売上構成比は。

 村田:買い取りと消化仕入れの比率は2対8ぐらい。自主編集売場は衣料品では紳士、婦人共にそれぞれの約5%程度を占めています。ただ自主編集売場を増やすと在庫も増える。非食品に限らず在庫を処分する仕組みをつくりながら、比率を高めていくことが必要です。昨年3月にMD本部内にアウトレット運営部を新設し、同8月に神戸三田(兵庫県)、9月には酒々井(千葉県)のプレミアム・アウトレットに東西の常設店を開きました。

――今後大型店にストアコンシェルジュを再配置し、全館にまたがる接客販売態勢を整えていくというが。

 村田:例えば「ソファを買いたい」と来店されたお客さまにソファ以外の提案をし、部門をまたいだ商品情報を提供していきたと考えています。

 3月1日付で大型5店(大阪店、横浜店、日本橋店、京都店、新宿店)と玉川店に「ストアコンサルティング販売グループ」を新設。お客さま情報を一元的に管理するようなアプリケーションを作っているところです。

――一時はエイチ・ツー・オー リテイリングと経営統合を目指したが、結局、独立路線を歩んできた。今後は。

 村田:当社は規模の拡大という水平統合より、垂直統合的なアライアンス(提携)の方が戦略的には重要だと考えています。当社の経営資源で足りないデジタル技術を持った企業とアライアンスを組むとか、今後は十分あり得ると思います。

 

※本記事は『販売革新』2019年5月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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最終更新:6/10(月) 15:30
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