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浪費家のファイナンシャル・プランナー×オタク女子4人組「今更聞けない」以前に、「今更知った」を避けるために【ブックレビュー】

6/10(月) 18:30配信

FINDERS

オタク趣味を持つ全ての人に朗報。お金を「使う人」は「貯められる人」

現金を使う機会が大幅に減るキャッシュレス化が進もうと、人が「お金を使う」という行動自体は、当分の間は無くならないだろう。劇団雌猫・篠田尚子『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イースト・プレス)は、思いっきりお金を使い倒す平成元年生まれのオタク女子4人組・劇団雌猫が主人公となり、なかなか始めるきっかけを掴みにくい資産運用も含めて、よりよいお金との付き合い方を発見していく物語である。

本書は、ある夜居酒屋で劇団雌猫メンバーたちが苦しくもどこか嬉しい浪費の悩みを打ち明けあっている席の横に、ファイナンシャル・プランナーの篠田尚子が座っていて、会話に加わるという場面から始まる。自分も「推し」を追いかけて遠征に行ったり、ハードスケジュールで旅をしたりしたことがあると語る篠田は「浪費家のファイナンシャル・プランナー」と自らを表現する。

「お金を使うということに、過度に後ろめたさを感じないでほしいと思います。日ごろからお金を使う人は、その価値や尊さをよくわかっています」(P11)

「使う人は、貯められる」という言葉に励まされ、劇団雌猫メンバーたちは篠田に気になるあれこれを聞きまくっていく。本書の特徴的な点は、K-POP・宝塚・BL・ジャニーズなど、各々に「推し」がいるなどして、ある物にお金をつぎ込むオタクという人物設定がしっかりしているため、状況描写やそれに対する提案が非常に具体的である点だ。

結果的に、オタク的な趣味を持ち合わせていない人(狭義のオタクカルチャーだけでなく、おそらく多くの人がひとつはそうした趣味を持ち合わせているはずだが)でも参考になるお金との付き合い方のポイントが本書には書かれている。

iDeCoやNISAなど、不慣れな言葉に対する拒否反応を払拭しよう

難しいことは抜きにして、お金が貯まる方法を手っ取り早く知りたいとお思いの方は多いはずだ。本書には大きく分けて3つのステップが提案されている。

1 月収3ヵ月分の貯金をつくる
2 確定拠出年金でコツコツ年金積立
3 NISA・つみたてNISAを追加して資産運用

1を見て「そんなの無理だ」と思う読者を著者たちは切り捨てないし、逆に既に1の段階はクリアしている読者を満足させるデータも用意してくれている。オタクの設定(年齢・仕事・収入・どんなオタクか)をしっかりと描写した上で、譲れない出費、削れない出費、定期的・単発・臨時・不定期の出費など、カテゴリー別に分けた出費パターンのグラフが本書には掲載されている。自分に該当しない場合でも、他人の財布の中身を覗けるような興味深いデータが広がっており、自分と似た傾向が見られる場合は特に食い入るようにグラフを眺めてしまう。

こうした多岐にわたる話題の中で、繰り返し重要性を説いているのは「貯めたお金に働いてもらう」ということだ。それはすなわち、貯金の延長としてのiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)による資産運用を意味する(本書は会話形式で進行し、実際はイラストで各人が表現されているが、以下では篠田尚子を「篠」、劇団雌猫を「猫」と表記させていただく)。

篠:NISAを使うと、この税金が0円、つまり非課税になります。先ほどの例だと、10万円の利益がそのまま手元に残ることになるんです。
猫:めちゃくちゃいいじゃないですか! どうしてみんな使ってないんですか? なにか裏がある……!?
篠:残念ながら、資産運用なんて縁遠いと思っている方がまだまだ多いんです。とってもおトクなのに、もったいないですよねえ。(P51)

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最終更新:7/10(水) 18:44
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