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【月刊『WiLL』(7月号)より】盗んだ技術で儲ける―中国 国家ぐるみのパクリ戦術

6/10(月) 12:42配信

WiLL

英国の裏切り

深田 英国が、5Gネットワーク構築にファーウェイの参入を認める方針だと報道されました。通信傍受システムを共有するファイブアイズ(米国、英国、カナダ、豪州、ニュージーランド)は、「ファーウェイ排除」で一致していたはずです。英国の裏切りにほかなりません。
柏原 英国のシギント(通信等の傍受を利用した諜報)機関であるGCHQ(政府通信本部)は、ファーウェイ導入に反対しています。先のキャメロン政権は中国とベッタリでしたし、政府中枢で意見の対立があっても不思議ではありません。
 この件の背後には李嘉誠(香港最大の企業集団・長江実業グループ創設者)がいるんですよ。買収した英国企業にファーウェイ製品を導入することで、英国に圧力をかけている。
深田 トランプ政権がファーウェイ排除の旗を掲げていますが、欧州が米国に追従するとは限らないということですか。
柏原 ファーウェイは、すでに欧州では高いシェアを誇っています。反米の姿勢を鮮明にするドイツを筆頭に、今後も使い続ける可能性はある。
深田 アフリカでも、ファーウェイは幅を利かせていますね。
 昨年三月、国連「女性の地位委員会」に参加しました。この委員会の趣旨は、ICT(情報通信技術)が格差の原因で、中国の地方、アフリカにインフラを敷けば女性の人権が守られる──という謎めいたものだったので、妙だなと思ったんです。ただ、会場を見渡すと大勢の中国人がいる。裏でファーウェイが糸を引いているナ、と察しました(笑)。
柏原 利権拡大のため、国連を利用しているんでしょう。
深田 先日、財務省と経済産業省が、IT分野での外資規制を拡大することがニュースになっていた。外国資本による米国企業の買収をチェックするCFIUS(対米外国投資委員会)の日本版がついにできるのか、と期待しました。
 ですが、そもそも日本には諜報機関がない。CFIUSは、海外企業の経営者の出自やカネの流れなどの徹底的な調査が前提です。つまり、諜報機関すらないまま審査しても意味がありません。「鴻海は台湾企業だからシャープを買収してもOK」みたいな悪夢が繰り返されかねない。
柏原 不正競争防止法も、経産省の枠内でしか議論されていません。「こうすれば被害届が出せる」といったレベルの話で終わってしまいます。
深田 不正競争防止法は、立証が難しいんです。SKハイニックスにチップの設計を盗まれた東芝メモリは、わざわざチップをSKハイニックスから購入し、類似箇所を一つ一つ探す作業から始めた。
 中小企業にはそんな金も時間もありませんし、弁護士費用もバカにならない。泣き寝入りするしかないことを理解してるので、中国はあえて中小企業を狙ってきます。
柏原 他国が仕掛けてくる情報活動に対抗して国家・企業を問わず機密を守る、カウンターインテリジェンス(CI)が議論されるべきなんです。
 例えば、フランスのCIには三つの位相があります。第一に、国防・安全保障に関わる機密を保護する「予防的防諜」。第二に、機密を侵した者を調査し、犯人を特定したうえで司法に引き渡す「抑圧的防諜」。そして第三に、敵組織の作戦について情報収集し、必要ならば敵組織にかく乱工作を仕掛ける「攻撃的防諜」。
 日本にも、守りだけでなく攻撃能力を持った防諜機関が必要です。そして、中国の膨大な情報収集システムに対抗しなければなりません。

《続きは本誌にて》

柏原竜一(情報史研究家)、深田萌絵(ITビジネスアナリスト))

最終更新:6/10(月) 12:42
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