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【月刊『WiLL』(7月号)より】安倍・トランプ体制をギア・アップせよ

6/10(月) 12:47配信 有料

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「前提条件なし」の真意

島田 ゴールデンウィーク中にワシントンを訪れ、北朝鮮問題についてアメリカの専門家たちと議論しました。五月二日からは拉致被害者家族会の横田拓也事務局長らと国務省やNSC(米国家安全保障会議)へ出向き、二回目の米朝首脳会談の感触を聞いてきました。
藤井 いかがでしたか。
島田 ある政府高官によると、トランプ大統領は金正恩に対し、「真の経済発展に全面協力する用意がある」が、二つの条件があると迫ったといいます。
 一つ目は、核兵器のみならず化学・生物兵器など大量破壊兵器とその運搬手段を全て破棄すること。二つ目は、人権問題の大幅な改善です。その文脈で、拉致問題を解決しなければ日本からの経済支援は受けられない旨、ハッキリと伝えたそうです。
 さらに金正恩は会談中、トランプ大統領から拉致問題を持ち出され、最初は話題を逸らそうとした。でも、次の会合で再度強い調子で迫られると観念したのか、かなり踏み込んだ話に応じたといいます。
藤井 四月二十六日に行われた日米首脳会談では、安倍首相にその詳細が伝えられたのでしょう。
島田 安倍首相は五月に入り、条件をつけずに日朝首脳会談の実現を目指す考えを示しました。しかしアメリカ側は、北朝鮮が主張する横田めぐみさんら八人の被害者の死亡を日本側が全く受け入れていないことも伝えている。決して「前提条件なし」ではないんです。
藤井 安倍首相の発言は、トランプ大統領と電話会談を行った直後に出されましたね。電話会談で細かい条件の擦り合わせが行われたはずです。むしろ、拉致問題で妥協するはずがない日本政府が「前提条件なし」という態度を示したのは、北朝鮮側から対話を求めるサインがあったことを意味します。
島田 日本が示してきた条件をオープンにすれば、北朝鮮は態度を硬化させるかもしれません。表向き「前提条件なし」にしているのは、戦術的に理解できる。安倍首相が弱腰になったとの批判は的外れです。
藤井 私もまったく同意見です。北朝鮮国内は経済制裁も効き、かなり苦しい。国内の反乱分子と、スペインの北朝鮮大使館を襲撃した「自由朝鮮」は接点があるようで、金正恩も相当ビビッているでしょう。 本文:9,484文字

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藤井厳喜(国際政治学者)、島田洋一(福井県立大学教授)

最終更新:6/10(月) 12:47
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