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ニセ相続専門税理士事務所が急増しているワケ…見極め方は?

6/10(月) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。今回は、相続が発生したときに、どのような専門家に相談するべきか、ケース別に見ていきましょう。

法律の専門家…それぞれの専門領域

近い親族に初めて不幸があった場合、多くの人がその後何をしたらいいのか、わからなくなります。まず先に相談するべき専門家は一体誰にするべきでしょうか?

世の中には様々な専門家がいます。弁護士、司法書士、行政書士、税理士…。また銀行や生命保険の担当者にも相談することができるかもしれません。常日頃からお付き合いのある信頼できる専門家に相談していただくのがベストですが、必ずしもその専門家が相続に詳しいとは限りません。

■弁護士・司法書士・行政書士の違い

現在日本には、法律の専門家と呼ばれる国家資格として、弁護士・司法書士・行政書士の3つの資格が存在します。この3つの資格の違いがわからない人がとても多いので、大雑把に説明します。

まず、弁護士は法律に関する仕事は何でもできます。一方で、司法書士と行政書士には、法律に関する仕事のうち、できないことがあります。弁護士はやろうと思えば何でもできるのですが、一般的に、弁護士があまりやらない仕事があります。そういった仕事は、司法書士や行政書士の方が得意なので、司法書士や行政書士に依頼した方がよいわけです。

■弁護士の専門領域

弁護士は、法律に関する仕事は何でもできる資格です。弁護士には、司法書士や行政書士が行えない、弁護士だけの専門領域があります。この専門領域を弁護士でない人が行うことは非弁行為(ひべんこうい)といって、2年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられます。

相続に関わる弁護士の専門領域としては、遺産分割の争いに関する法律相談や、遺産分割の代理人、家庭裁判所での代理人などがあります。簡単にいうと、揉めてる相続の間に入れるのは弁護士だけということです。どこからが揉めてる相続かというのは判断が難しい所ですが、筆者も税理士の立場で相談に乗っていて、「これ以上、争いが悪化したら弁護士いれないとまずいよなぁ」という判断を迫られる時があります。非弁行為になってしまうので。

よく弁護士の資格がないのに、相続争いに出しゃばる(言葉悪いですが)税理士や自称専門家が現れることがあります。公平に仲裁しようとするならまだしも、どちらかの相続人(大抵が自分のクラインアント)の肩を持つ形で話を進めようとします。そのような人が現れた場合には、「おいおい、これって非弁行為でしょ?」といってやりましょう。

余談ですが、弁護士の登録人数は、1995年頃には15,000人くらいだったのが、2015年時点で36,451人と、この20年で倍以上に人数が増えています。この背景には試験制度が大きく変わり、合格者が大幅に増えたことがあるそうです。昔は資格が取れれば安泰といわれていた資格ですが、今はなかなか大変です(税理士も同じですが…)

■司法書士の得意領域

司法書士といえば、何といっても登記(とうき)です。不動産名義変更や会社設立などの登記手続きは司法書士が最も得意としている領域です。相続に関する仕事では、不動産の相続登記、各種名義変更手続きの代行、成年後見人、家族信託の設計などを得意としています。

しかし、遺産分割の争いに関する相談は、司法書士は受けることができません。争いに関しては弁護士の専門領域です。争いには至ってないけど、後々で揉めないように、法律家の監修のもと、遺産分割をしたい方にはおすすめです。

ちなみに、最近、利用者が急増している家族信託を最も得意としているのは司法書士です。家族信託をする際には登記が必要になるので、登記にも対応し家族信託を設計してくれる司法書士は心強いですよね。

司法書士になるためには、司法試験に次ぐ難関試験を突破しなければいけません。その合格率なんと3.9%!現在、日本全国には22,488人の司法書士がいます。数だけでいうと弁護士より数は少ないのですが、司法書士の登録者数も年々増加しています。

■行政書士の得意領域

行政書士は現在全国に約47,000人ほどいる、街の身近な法律家です。最も得意としている仕事は、在留資格の取得代行や、飲食店や運送業などの営業許可の取得代行です。

相続税に関する仕事では、遺言書の作成や、各種名義変更手続きの代行をすることを得意としてます。ただし、司法書士との大きな違いとして、不動産の名義変更(登記)は行政書士が代行することはできません。一方で、自動車の名義変更は、司法書士は行うことができませんが、行政書士なら行うことができます。

亡くなった方が不動産を持っていなければ、行政書士に名義変更手続きを代行してもらうのもいいかもしれません。最近では成年後見制度や、家族信託契約書の作成を得意とする行政書士も増えてきましたので、認知症対策としても心強い存在です。

法律系の資格をまとめると、次のようになります。

弁護士:すべての業務ができるオールマイティな資格です。相続争いが発生している場合には、弁護士の専門領域になります。

司法書士:登記を得意にしている資格です。各種名義変更手続きの代行をお願いするには、おすすめです。

行政書士:許認可手続きを得意にしている資格です。不動産がなく、車がある場合などには名義変更手続きをお願いするのもよいかと思います。

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最終更新:6/14(金) 13:51
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