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不正発覚でも懲りずに癒着する医師と製薬企業

6/10(月) 6:00配信

JBpress

 ディオバン事件を覚えているでしょうか。

 日本の5つの大学(京都府立医科大学、慈恵会医科大学、滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学)とディオバン(一般名:バルサルタン)を製造するノバルティスが関わった研究不正を指します。

 この事件では、2000年代に臨床試験が行われたデータに不正があったり、ノバルティスの社員が公表なしに論文の統計解析に関わったりしたことが問題とされました。

 その結果、これらの臨床試験の論文は2013年から2018年にかけてすべてが撤回されました。

 今回、この事件に関わった医師への製薬マネーに関する調査を行い、JAMA Network Open誌という医学雑誌で発表しましたので、結果をお伝えします。

 (https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2733427)

 研究不正の背景には金銭的なものを含めて、癒着がその温床になると考えられています。ディオバン事件はその好例で、それを受けて医学界および研究界にも大きな変化をもたらしました。

 まず、日本製薬工業協会(JPMA)に所属する製薬企業は2013年から透明性ガイドラインを独自に設け、医師や医療機関に支払った金額を公開するようになりました。

 また、臨床研究法が2017年に成立、2018年に施行され、製薬企業の資金提供の下で臨床研究を行う場合には、監査が義務づけられることになりました。

 では、実際にディオバン事件に関わった医師たちと製薬企業の金銭的な癒着はどうなっているでしょうか。

 実は、JPMAがガイドラインを制定してからも、各社が公開する金額には、横断的にどれほど金銭を授受しているか分からないなど、公開方法に問題がありました。

 そのため、これまでディオバン事件に関わった医師たちへの製薬マネーの全体像は分かっていませんでした。

 今回私たちとワセダクロニクルは共同して、2016年度の各製薬企業からの支払額をデータベース化しました。

 (http://db.wasedachronicle.org)

 そのデータベースを用いて、ディオバン事件が発覚してから3年を経て、撤回された論文に携わった医師たちへの製薬企業からのカネの流れを調査しました。その結果は驚くべきものでした。

 2016年度、ディオバン事件が発覚してからわずか3年。

 まさに舌の根も乾かぬうちに、製薬企業から研究費とは別に、原稿執筆料、講演料、コンサルタント費などとして29人もの医師が金銭を受け取っていたのです。

 ディオバン事件に関わった臨床研究の論文著者は50人ですから、実に約6割にあたります。

 その総額は6418万円に上り、内訳は5418万円が講演料、673万円がコンサルタント費など、243万円が原稿料として支払われていました。

 受け取った金額の平均は128万円で、15人が50万円以上 、5人が500万円以上、3人が1000万円以上を受け取っていました。

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最終更新:6/10(月) 6:00
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